熊本県・黒川温泉の復興を支える「首なし地蔵」のご利益がスゴい
病弱の父親に代わって塩を売り歩いていた15歳の睦五郎。だが、稼ぎは微々たるもので、薬など買えない……。臨終を迎えた父親が漏らした「黄色く熟れた瓜が食べたい」という願いをかなえるために、睦五郎は闇夜に紛れて畑泥棒を行った――。
熊本県阿蘇郡小国町にある全国屈指の人気温泉街と知られる黒川温泉には、こんな「首なし地蔵の伝説」が伝わっている。
その伝説では、睦五郎はあえなく見回りにとっ捕まり、首をはねられるが、なぜかその場には睦五郎の首ではなく、お地蔵さんの首が転がっていたという。その後、お地蔵さんの首を修行僧が持ち帰ろうとした際に、その地蔵は「この地に安置してくだされ」と一言。現在の場所に祀られると、その場から湯気が立ち上り、温泉がわき出たというのだ。
現在、そのお地蔵さんは黒川温泉の中心に位置するお堂に祀られている。お堂前の階段を下った先は共同浴場「地蔵湯」(入浴料200円)。伝説のなかで、湯がわき出たとされる場所だ。お堂の脇の「地蔵坂」には飲食店や土産物店が建ち並び、日夜、観光客や地元民で賑わっている……はずだった。黒川温泉で2軒の旅館を経営し、同温泉街の自治会長も務める松崎郁洋氏が話す。
「以前は、朝9時ぐらいには『ひなびた温泉見学ツアー』みたいに、外国からの観光客を大勢乗せたバスが近くまで乗り入れていたので、日中から狭い小路が人で溢れかえっていました。それが震災以降、予約のキャンセルが続出したうえに、露天風呂の浴槽にひびが入って営業できない旅館なども出たし、集中豪雨で避難勧告が出てわずかに残っていた予約客をお断りせざるをえなくなったりで、めっきりお客さんが減ってしまいました。GWシーズンとあって、だいたい80~90%ぐらいの稼働率だったのに、しばらく0%という旅館がほとんどになってしまった。おかげで30年ぶりぐらいに、気兼ねなく道に水をまけましたよ(苦笑)」
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