「おっさんのLINE」はなぜキモくてイキってて長くなりがちなのか?
若者とおっさん。世代で文化や感性が異なるのは仕方がないものの、なぜかおっさんは独特の行動様式を取り、持論を展開したがる。その背景には、おっさん特有のルールが渦巻いている。
SNSにおけるおっさんルールといえば、長文がすぎる、文面がキモい、返信していないのにどんどん送って来るなどで大ひんしゅくを買っている「おっさんLINE」に言及しないわけにはいかないだろう。
「ゴチャゴチャ書いているけど、要約すると『好きだけど傷つきたくないから、そこは察してほしい』ということしか伝わらず、余計に気持ち悪い」(♀・29歳・医療)
この理由について当事者(51歳)に聞いてみると、「下心というより、若者でもわかるよう丁寧に書こうとした結果、長くなってしまう」という。悪気はないにしろ、若者を舐めすぎではないか……。
また、LINEの文末に署名をする傾向もおっさんの原体験である手紙文化に影響されていると思われる。ほか、「おいら(一人称)」「にゃはは」などを多用するほか、「一日に連投すれば若々しいと思ってる節がある」(♀・30歳・福祉)とも。
そして、SNSに自己表現の場を過剰に見いだすおっさんが一定数いる。中でも特徴的な行動は、「ツイッターなどに挑発的な持論を書き込み、反論がくるとブロック」。
「その後、必ずといっていいほど『○○をブロックしてやった、ざまあ見ろ』とわざわざ宣言する。同じ例をこれまで3人は見かけました」(♂・31歳・公務員)
揚げ句の果てには、こんな例も。
「『いいね!を押してくれなかったり、投稿が少ない人は友達から削除します』と言い出した。別に構わないのですが、少し哀れになってしまって」(同)
またフェイスブック上で、背景色や柄をつけて投稿する機能を使用しているおっさんも多い。
「あれを見ると、電子機器を使いこなせるようになってはしゃいでいる老人みたいで寂しい気持ちになる」(♀・34歳・セラピスト)
また、女性アカウントに下心丸出しの「クソリプ」をし、返事が来れば「ヤレるかも」と思い込むのもおっさん独特の謎ルールだ。
「少し返事をすると、すぐ『会おうよ』と言う。どうしてそう思えるのか不思議」(♀・29歳・教育)
数年前にクソリプ経験のある男性(41歳)に聞くと「そのときは30代だったから」と頑なに自己弁護。この姿勢がすべての元凶である気がするが……。
こうしたSNSでのおっさんの振る舞いについて、社会学者・田中俊之氏は「おっさんは『ビー・バップ・ハイスクール』のような不良文化が流行っていた時代を経ているので、競争社会や上下関係を見せつける意識が根付いています。ブロック自慢は完全に不良文化の影響です。LINEについては、下心のほかに女性の神秘性への憧れかも」、恋愛ジャーナリスト・おおしまりえ氏は「自己主張がはっきりできるヤツほど大人であると錯覚している気がします。皆がよそいきの投稿をするなか、あえて本音での俺アピールかと」と分析している。
取材・文/週刊SPA!編集部
※週刊SPA!10月31日号「若者が理解できない[おっさんの謎ルール]アリかなしか?」より
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