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「友達になれない」「中東のお金持ち風に騙されそうになる」オヤジたちのSNS事情――コラムニスト木村和久

木村和久の「オヤ充のススメ」その188 ―  おじさん世代もLINEやらFacebookやらを駆使して、頑張っているんですが、どうも最新テクノロジーに疎くて、双方茫然と立ちすくむことがあるんですよ。 スマホ 先日、70歳と58歳のオヤジがLINEをやろうとスマホを出したはいいが、それから先に進めなかったっす。つまり、どうやれば友達になれるかわからないのです。今までのLINE相手はキャバ嬢だけど、勝手にスマホをいじって「QRコード」や「ふるふる」で繋げてくれたけど、オヤジ同士は悲惨ですよ~。  仕方がないので、若いほうのオヤジがって自分のことだが、そういえば「ふるふる」やったことがあるからって、振ってみた。オヤジ2人が、焼鳥屋のテーブルの上でシャカシャカやる。結果、双方認識はできたが、そこから友達として取り込めない。「なんで?」としばらく何度も振っていた次第。結局、QRコードに作戦変えをして適当にいじっていたら、無事友達になれました。ホント、イマドキのキャバ嬢は偉大ですよね。  その偉大なキャバ嬢だけど、先日こんなことが起きました。また性懲りもなくダラダラとメールをしてて、何かの弾みで「ゴハン食べよう」となりました。そういえば、そのキャバ嬢は現在失職中で、キャバクラをリクルート中です。これは同伴しなくていいや「ぜひ食べましょう」と返信したら、「オーケー、7時からお店に行くのでよろしく」って、すでに同伴になっているし。  参ったね。その日、どこぞのキャバクラに短期アルバイトしてやがんの。見事に1本取られましたわ。  こっちは同伴するって一言も発してないのに、そう決めつけているし。だから「同伴はちょっと無理」と書いたら「私と会う気ないんですね」だと。会う気持ちと同伴は別でしょ。ちょっとうぬぼれているんじゃないのと思って「ほかの女のコは、みんな同伴をしないで会ってくれるよ」と送ったのです。  そしたら「1回しか会ってない人と怖くて食事できません」だと。  なんか凄くがっついているオヤジに見えるのかなあ~。そこは安倍首相のモリカケ問題のように、懇切丁寧に説明しておかないと。 「こちらは食事をする相手に、そんなに困ってないんですよ~」と書いたら、「それでは、お互いのために関係を終わりにしましょう」と来たもんだ。笑うよね。「関係って、そもそも何もないじゃん」と返してみた。そしたら凄いのが来ましたよ。 「LINEはブロックして頂けると助かります」  おいおい、なんでこっちがブロックするの? その書き方が凄まじいなあ。スティーブン・キングの原作の映画「IT」を見たけど、面白かったっすよ。そのキャッチコピーを拝借して言うなら 「イット!、それを書いたら終わり」だよ、と。  イマドキの若いコは気に入らない相手を見つけ次第、相手にブロックさせるんだなあ~。嫌ならそっちがブロックすればいいじゃん。  正直言って、同伴してまで会いたいというコではないです。しかも「オヤジは怖いから、同伴にして安全を確保し、店に引っ張らなきゃ」という考えが見え隠れしますね。今後も永遠に分かち合うことがないと思ったので、スルーしておきました。  ちなみに、こっちは何の仕事をしているか一切喋っていないので、ただの「メガネの薄らハゲ」に見えたのでしょう。確かに外見はそうだけどさ。  LINEは匿名性があって、相手の素性がまるっきりわかりません。そういうのがいいという人が使うツールです。素性がわからないとこっちはオヤジ以外の何者でもないのが辛いっす。  その点、Facebookは業界のちゃんとした肩書きを持っている人が登場するから、安心だよねと思っていたら、こんなことがありました。
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中東のお金持ち風と友達になってみた
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トレンドを読み解くコラムニストとして数々のベストセラーを上梓。ゴルフやキャバクラにも通じる、大人の遊び人。現在は日本株を中心としたデイトレードにも挑戦。著書に『50歳からのかろやか人生』

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