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知っておきたいカクテルの決まりごと。シェイク、ステア、ブレンドって?

― 30代が知らないと恥ずかしい! 今さら聞けないお酒のキホン第20回 ―  カクテルの作り方というと、バーテンダーが銀色の器具に氷とお酒を入れて、それを胸の前で何十回も振っているところを想像する人が多いのではないでしょうか。これは、シェイクという技法です。その他にもいくつかの技法があり、カクテルによって使い分けます。

お酒を一番美味しく楽しめるカクテルの技法

 シェイクは、シェイカーと呼ばれる器具に氷とカクテルの材料を入れて、振ります。目的は、材料を混ぜ合わせながら冷やすことです。強めに振って、空気を含ませてわずかに泡立たせることもあります。基本的には、「ショート」と呼ばれるカクテルに使われることが多く、カクテルグラスと呼ばれる逆三角形のグラスで飲みます。とはいえ、ジンフィズは材料をシェイクしてグラスに入れたあとにソーダを注ぎます。「ロング」カクテルにも使われるので覚えておきましょう。

シェイクはとても熟練を要する技術で、まさに芸術です

 ステアは、ミキシンググラスという器具に材料と氷を入れて、バースプーンを回して混ぜ合わせます。そこにストレーナーという液体だけを出せるようにする器具をセットして、カクテルグラスに注ぎます。こちらも、シェイク同様にショートカクテルがメインです。シェイクは材料の違う比重を混ぜ合わせるのに便利ですが、比重が近いのであればステアでも混ざります。振らないぶん、氷の溶け方をコントロールできるのでドライな感じに仕立てやすくなります。ステアで作られるカクテルの代表が「マティーニ」です。  ビルドは、グラスに直接材料を注ぐ技法です。例えば、「ラスティ・ネイル」というカクテルは、スコッチウイスキーとドランブイというリキュールを氷を入れたロックグラスに注いで作ります。もっとも簡単なので、自宅でカクテルを作るときにも重宝します。ウォッカにオレンジジュースを加えると、「スクリュードライバー」ができます。  ブレンドは、ブレンダーやミキサーと呼ばれる器具を使って原材料を混ぜます。様々なフルーツを使ってフレッシュな季節のカクテルを作ったり、氷を入れてフローズンカクテルを作ることもあります。筆者が昔働いていたバーではお菓子のOREOを入れてブレンドし、クッキー&クリームのようなオリジナルカクテルが人気でした。

ステアもかき混ぜれば良いというわけではなく、音を立てずに回せるようになるまでは修行が必要です

 カクテルを作る時の技法は、お酒を一番美味しく楽しめるように決まっています。とはいえ、あくまで技法なので変更を依頼することもできます。本来、「マティーニ」はステアで作るカクテルですが、007のジェームズ・ボンドは、「ウォッカマティーニ」を「シェイク」で頼んだこともありました。ステアで作るより氷が溶けるので、ライトな感じに仕上がります。
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お酒を毎晩飲むため、20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に原価BARをオープン。2021年3月には、原価BAR三田本店をオープンした。新型コロナウイルス影響を補填すべく、原価BARオンライン「リカーライブラリー」をスタート。YouTubeチャンネルも開設し生き残りに挑んでいる

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