第3のビールなのに金麦もクリアアサヒもリキュール扱い。リキュールってなに?
― 30代が知らないと恥ずかしい! 今さら聞けないお酒のキホン第18回 ―
カクテルの材料として「リキュール」はよく使われます。このリキュールって、なんだかわかりますか?
「お酒でしょ」で通じることは通じるのですが、ここはひとつ、ざっくりと基本を押さえておきましょう。リキュールと聞いて、この先もずっとモヤモヤするよりも、常識としてインプットしておくとさらにお酒を楽しめます。
まずリキュールは、一般的には蒸留酒に何らかの香味成分や甘味料を混ぜたものと言えます。「一般的には」とぼやかしたのは、ざっくりとしているので、とても幅が広いためです。細かく言うと、国によって定義が異なります。
歴史をひも解くと、古代ギリシャの医者ヒポクラテスが薬草をワインに漬け込んで薬を作ったのが起源と言われています。その流れで、中世には錬金術師が命の水と呼んだ蒸留酒が作られ、現在のリキュールの原型ができました。薬として生まれているので、修道院で作られることもありました。
ちなみに、リキュールの語源や日本初のリキュールには面白い説があるのですが、諸説あってどれが正確なエピソードなのかわからないのでここでは触れません。
日本では、酒類の中の混成酒に分類され、酒類と糖類その他の物品を原料とした酒類で、エキス分が2%以上のものとなります。日本の法律はざっくりで、蒸留酒を用いるとか砂糖の量とかの決まりがなく、いろいろとイレギュラーが発生しています。
例えば、日本酒は22度未満と決められているので、日本酒と同じ作り方をして22度以上になってしまったものはリキュールとなるのです。玉川酒造の越後武士は日本酒と同じ製法で作られていますが、46度なので現在はリキュール扱いになってしまいます。ちなみに2006年の酒税法改正以前は、もっともアルコール度数の高い日本酒という扱いでした。
ほかには、第3のビールにもリキュール扱いになるものがあります。例えば「クリアアサヒ」や「金麦」ですね。昔ながらの梅酒も、最近人気の「ストロングゼロ」もリキュールです。
有名どころだと、カルーアミルクの材料であるコーヒーリキュール「カルーア」やメロンリキュールの「ミドリ」などがあります。ライチリキュールの「ディタ」やチョコレートリキュールの「モーツァルト」、杏子の種から作られている「アマレット」など、どこかで飲んだこともあるのではないでしょうか。
リキュールの起源は古代ギリシャの薬だった
金麦もクリアアサヒもリキュール扱いなのは日本の酒税法のせい
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お酒を毎晩飲むため、20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に原価BARをオープン。2021年3月には、原価BAR三田本店をオープンした。新型コロナウイルス影響を補填すべく、原価BARオンライン「リカーライブラリー」をスタート。YouTubeチャンネルも開設し生き残りに挑んでいる
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