毎週末の帰省を“出張”申請する厚顔50代社員
―[50代[不良在庫社員]の大迷惑]―
やれ、「ゆとり世代はガッツがない」「バブル世代はお調子者で仕事ができない」「団塊世代はもらうだけもらった逃げ切り世代」……。とまあ、世代間のディスり合いは常に不毛なものだが、実は今、こっそり会社でお荷物となり疎まれているのが「50代」だという。昭和の“企業戦士”の最後の世代、気づけば“老兵”となった彼らが巻き起こす混乱を見ていこう。
◆毎週末、実家のある福岡へ無意味な出張を続ける厚顔課長
全国に支店を持つ中堅メーカーの男性(54歳)。福岡支店長から東京本社の課長へ異動となったが、「すでに営業管轄でない福岡に毎週出張している」と部下の村本勇太さん(仮名・33歳)は告発する。
「金曜に訪問予定を入れ木曜から連泊で出張ということが多かったので探ってみたところ、彼の本来の目的は妻子のいる実家への帰省でした。それを出張という名目で交通費と宿泊代を会社に請求しているんです。問題だと思うんですが、顧客に顔を出しているのは事実なので架空出張だとも断言できず、黙認されている状態です」
単身赴任の寂しさは察しなくもないが、聞けば、一般社員の倍、年収900万円をもらっているとなれば同情の余地はどこにもない。
「そもそも異動になったのは福岡支店の売り上げが悪かったからで、いわば彼の責任です。それなのに、現在の課長職は支店長職と同級で給料は変わらず。それでいて責任はないという気楽さに、本人はラッキーとすら思ってるんでしょう」
この課長の罪は、まだ続く。
「社内にいるときはパソコンでネットを見ているだけ。訪問先でも『バブル時代の昔話をしに来られても……』と迷惑がられているだけ。支店長時代も営業を電話だけで済ませていたので、顧客からの評判は最悪。しかも、当時の彼の部下の中には、そのやり方が身についてしまった人もいます」
そんな人物がなぜ会社で許されているのかが不思議だが、それには会社の体質もあるよう。
「何もせず儲かったバブル時代をいまだに引きずっているんですよ。景気が悪いんだから仕方ない、頑張ってもムダという風潮で、若い社員を育てる気はなく、何か新しいことをしようとすると50代が潰しにかかる。当然、若い人は辞めていくし、ここ数年、募集もしていません。気づけば会社の平均年齢は44歳です。社内の雰囲気? 明るいはずがないですよ」
会社自体が業界からの不良在庫認定されなければいいけれど……。
― 50代[不良在庫社員]の大迷惑【5】 ―
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