「電動マッサージ器」は家電なのか?
―[木村和久の「オヤ充のススメ」]―
― 木村和久の「オヤ充のススメ」その9 ―
みなさん「電動マッサージ器」って知ってますよね。長い筒状で、先端に振動する突起がついてて、肩とか腰とかにあてると、非常に気持ちいいやつ。いかに快感かって? ほら、山岸舞彩アナウンサーが恍惚の表情を浮かべて、足をバタつかせているCMあるでしょう。あれもタイプは違えど、低周波の電気式マッサージ器です。
彼女の気持ちよさげな仕草がたまりません。しかも、なぜか時々山田まりやに見えるのは、気のせいでしょうか。
非常にポピュラーな電動マッサージ器ですが、これを短縮して呼ぶと、全く異なった意味合いの器具に変わります。その名は「電マ」、本来マッサージ器だったのですが、過去に誰かが新しい使い道を発見したのでしょうか。
その発見の経緯を、スタンリー・キューブリック監督の「2001年宇宙の旅」の冒頭シーンで喩えるなら、こうです。
暇をもてあましていた人妻のA子は、ある日、電動マッサージ器で肩や腰をほぐしていた。その時、時空を超えてやって来た黒い石板のようなモノリスが、突如部屋にそそり立っているではないか。モノリスから発せられるウォンウォンという唸り声と、電動マッサージ器のブォ~ンという機械音がシンクロし始めた。その時A子は、何をひらめいたのか、こっそりと電動マッサージ器を局部にあててみたのだ。そしたら腰が抜けそうなくらい気持ちよかったとさ。その後、これは使えると言うことで、アダルトビデオの必需品となり、オヤ充の三種の神器にまで祭り上げられたそうだ。まあ人類の進化って、所詮こういうものですよね。
冗談はさておき、ここで話題にしたいのは、その電マの販売されている状況です。これは家電なのか? アダルトグッズなのか? 答えから言えば両方ということになります。
まず家電量販店で電マ探しをしますと、かろうじて2~3本、しかもマッサージ器売り場のはじっことか、棚の隅とかに申し訳なさそうに置かれています。電マを見守って5年以上ですが、最近の家電量販店は、あまり電マを売る気がないようです。あれって単価2000~3000円ですから、そんなに儲かる商品ではない。あまり有名になり過ぎて、堂々と売るのはどうか、ためらっているのだと思います。
個人的には、コンペの商品としてウケるので時々買います。理想は家電量販店で1本だけ、女性店員のいるカウンターに持って行くのが通かなと。女性従業員は、うつむきながら無言で処理します。「電マ1本ですね、有難うございます」とは、決して言わないとこが、むしろこのコ、使い道を知ってるんだと、わかっていて面白いんですけど。
一方、電マを人気商品として扱っているお店もあります。いわゆる雑貨量販店です。特に、某D店は積極的で、家電売り場とアダルトグッズ売り場の両方にどっさり置いてます。
家電売り場にある方が2000円程度と安く、アダルトコーナーのが3000~4000円ぐらいと高価なのが笑えます。厳密には違うものですが、性能はまったく一緒。
それにしても家電売り場で、マッサージ器として堂々と山積みで売ってるんだから、驚きですよ。でもそれは使い方の問題で極論を言えば、だったらきゅうりやコンニャクだって、使い方によっては、アダルトグッズになるわけで、それを規制するのは無理って話ですが。
そんなある日、山手通り沿いの有名雑貨量販店に行き、電マウォッチングしたんですが、そこも実にあっけらかんと健康器具と一緒に売ってました。しかも丁寧に肩や腰に当てろと、イラストで説明をしているのです。
しばらく様子を見ていると、嫁入り前のうら若き女性が、その電マ売り場で足を止め、しげしげと説明を読み始めました。やがてサンプル電マを握り、こともあろうことにスイッチを入れたのです。え~マジ~、それから肩や首に電マを当てて、実に気持ちよさげな表情をして電マに揉みまくられていました。
実に正しい本来の使い方ですが、見ているこっちはハラハラで、いつ凄く気持ちいいところに、電マをあてるのか心配でたまりません。生のライブ感っていうんですか、日常の非日常性とでもいうのか、とてもエキサイトさせていただきました。おそらくそのコは、電マの本当の使い道を知らないんでしょう。イマドキ小林麻耶級の天然ブリッコが、いることが驚きでしたけど。
まあ今後は、是非アジアの方々が、日本の電化製品の素晴らしさを知り、本国にお土産に持って帰ることを切に望みます。そしたら、アジア同士でいがみ合うこともなく、楽しいプライベートライフを送れると思うんですけど。すると、これもTPPの交渉品目に入るのかなあ、余計な心配だっつうの。
■木村和久(きむらかずひさ)■
トレンドを読み解くコラムニストとして数々のベストセラーを上梓。ゴルフやキャバクラにも通じる、大人の遊び人。現在は日本株を中心としたデイトレードにも挑戦トレンドを読み解くコラムニストとして数々のベストセラーを上梓。ゴルフやキャバクラにも通じる、大人の遊び人。現在は日本株を中心としたデイトレードにも挑戦。著書に『50歳からのかろやか人生』
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