第66回

02年5月16日「大バンチ振る舞い」

・週刊『コミックバンチ』の「世界漫画愛読者大賞」表彰式@赤坂プリンスホテル。賞金総額1億円! 大賞の賞金はなんと5000万円! と、桁外れの太っ腹ぶりに「大賞は該当作なしってことになるんじゃないの」なんて噂が流れていたが、ちゃんと、出た。つまりペン1本で5000万ゲットした人がいるのだ!

・その人の名は木の花さくやさん。実は偶然なんだけど僕の幼なじみなのだった。一緒にインターハイ目指した仲だ。おめでとう、さくちゃん。昔うどんおごったこと、覚えていてくれてるよね。

・つまり「いきなり5000万を手にしたとき人は一体どう変わっていくのか」という非常に得難い例を僕は目撃することになるわけだ。この人を観察して漫画にしようかな。というのは冗談だけど。受賞作品『エンカウンター』はもちろんバンチ誌上で連載されるから、今後、要注目。バンチの全世界戦略(日本の漫画でもって欧米やアジアにも進出するそうだ)のキラーコンテンツになりえる作品だと思うよ。

・それにしても木の花さんは賞金プラス単行本印税だけでいきなり長者番付に入っちゃいそうだな。漫画の世界には、こういうドリームストーリーがまだ、ある。



・余談だがその後のパーティーで大沢在昌さんと会ったので木の花さんに「こちら、おおさわ”ありまさ”さんです」と紹介したら大沢さんムッとしながら「どうも、おおさわざいしょうです」と。あわわわ。

02年5月17日「練習試合観戦ご招待」

・プレイステーションBB(プレステ2のネットサービス)が遂に始まり、史上最大のネットRPG『ファイナルファンタジーXI』も発売になった。ネットバブルは弾けとんで跡形もなくなったけど、本当に楽しいことはこれから、いよいよ始まる。業界のみなさん、心機一転がんばりましょう。と人に言うより先に僕も、せめて物書きとしてはネットをちゃんと活用しなくちゃなあ。

・さて食品や家電製品と同じように文章も「商品」にする場合(雑誌に載せたり本にしたりする場合)はある種のクオリティー管理が必要だ。誤字脱字のチェックだけじゃなくて、語尾の統一を確認したり、わかりにくい言葉や、主観的なたわごとは、排除していく。しかしネット上の文章って、そういうことに限って、どーでもよかったりする。むしろちょっと抜け気味の文章の方がすいすい読めちゃったりする。このノリの正体を、体験的に見極めていかなくてはならないと最近強く思う。

・というわけで6月中旬からGTVウェッブ上にいろいろ新連載を始める予定。乞うご期待。

02年5月18日「引っ越しのすすめ」

・心機一転のついでに引っ越しまですることに。っていっても同じビルの1階上に移るだけなんだけどね。レベルアップってわけです。

・デジタルの世界では新しい会社の方が元気なのはばんばん新しいシステムを入れられるからのような気がする。長いこと仕事してると社内のコンピュータやネットワークのシステムはどんどん複雑化していき、しまいにぐじゃぐじゃに絡み合ってわけがわからなくなる。そういう時は引っ越ししちゃいましょう。古いものはどんどん捨てちゃって。新しいところに回線を引き直して、最新の機材を設置するに限るのだ。

・今はたいていの人が主な連絡先をネット上に、つまりメールアドレスに移行しているので、住所や電話番号が変わることもそれほど不都合にならなくなっていると思う。

2004.08.01 |  第61回~

PROFILE

渡辺浩弐
渡辺浩弐
作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。