第149回

04年1月27日「今デジタルコンテンツの代表選手は」

・DCAj『デジタルコンテンツグランプリ』贈賞式。経済産業大臣賞は劇場用アニメ『東京ゴッドファーザーズ』と、アニメ制作ツール『RETAS!シリーズ』、そしてDCAj会長賞はアニメ制作会社「プロダクションI.G.」代表の石川光久氏……と、アニメーション関係がメインをしめていた。

・僕も審査の末席にいたが、審査過程で「アニメばかりではまずくないか」という意見はなかった。非常に自然な流れの中で高評価が集まったのである。日本のアニメがうまくデジタル化の波に乗りつつクオリティーを上げているということを正しく証明した結果だと思う。この勢いで、ゲームと同じように産業としても世界進出を成功させてほしい。


04年1月28日「全員集合! ウィスーット!!」

・『アタック・ナンバーハーフ2 全員集合』試写。オカマのバレーボールチームが国体に出場して優勝してしまったというタイならではの実話を元に製作されたヒット作の続編。前作の「前」と「後」の話をうまくまとめ、世界各国に広がった『サトリーレック』ファンへのサービスに撤した一品。前作のグループ感にヤられた人は必見。

・地域文化的にとんがった作品ほど、実は国際性をもてるってことをつくづく感じる。よその人にはキツすぎるくらいがいいのである。世界市場を狙おうとしてワールドワイドなテーマに走る必要はちっとも、ないのだ(そういう意味でも『東京ゴッドファーザーズ』は欧米で結構当たりそうな気がしている)。

・さてタイ語の独特のビートって絶対得だと思う。名前だけでも面白い。監督がヨンユット・トンコントーン。プロデューサーはウィスーット・プーンウォララック。なんかいかりや長介の挨拶みたいである。

04年1月29日「血肉で書きたい」

・こないだこの欄で「バイオ認証のすすめ」という文を書いた。僕がマイ血液を使ったマイ朱肉を使ってるって話。これを読んだ北原さん@アシッド社が、興味深い技術の情報を送ってくれた。

・DNAインクというものだ。静脈パターン認証などのバイオメトリクスで知られるアイディーテクニカ社の独自技術で、これ、すでに実用化段階らしい。人や動植物のDNAを抽出して(血液や口の中の粘膜を使う)、病因などに関係のない部分を合成DNAとして増殖させる。これを混入してインクを製造するわけである。DNAの、磁気を当てると個別の周波数で共鳴するという原理を生かし、小型の読み取り機で一瞬のうちに確認できる。

・捺印だけでなく印刷に使うこともできる。取りあえずは食肉や農産物、あるいはプランド商品の出自証明タグとしての活用が考えられているそうだが、僕は自分のDNAを使って自著を印刷してみたいのだ。

2005.12.02 |  第141回~

PROFILE

渡辺浩弐
渡辺浩弐
作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。