第193回

12月9日「すごい年だったので」

・デジタルコンテンツ協会にて、「デジタルコンテンツグランプリ」審査会。「サービス・システム」と「ヒットコンテンツ」の2部門に分かれていて、今日は河口洋一郎氏と福富忠和氏と僕で後者を審査。

・一口にヒットコンテンツといっても範囲は広い。特に今年はアニメとゲームの領域で大作が一気に世に出ている。あれとあれとあれ……と、思いつくだけですぐに10や20はいってしまうわけである。一方、新ジャンルを創出するような若い才能も見落とすべきではないのだ。3人で苦悩しつついつまでもいつまでも議論を続ける。このグランプリの主旨としてはやはり「デジタルコンテンツ」としてのパワーを重視することになる。

12月13日「AVビューワーとして」

・PSPについて。映画のようなコンテンツでもあまりストレスなく見られる画質と形体、そしてメモリーに動画や音楽をがんがん入れられる機能こそが実はすごいと思う。

・メモリースティックはすでに512MBのものが出てるし。動画のデータをこれ用にコンバートするためのソフトも、公開されてるし。MP3プレイヤーとしてだけではなくビデオウォークマンとしても、十分使えちゃうのである(録画したテレビ番組を通勤途中にこれで見てる、という人はもういるようだ)。

・まだエンコード作業がめんどうくさいかもしれないけれど、今後どんどん便利ツールが出てくるだろう。そのあたりにもマーケットが出現するわけだ。映像ソフトのコンテンツメーカーが、どう対応していくか、興味深い。ちゃんと考えて先を読んだ人だけが、生き残るはずなのだ。

12月14日「感謝」

・出演した『爆笑問題のススメ』オンエア。たくさんメールを頂きました。お誉めも、お貶しも、ありがとうございます。質問については、これまでの分については年末年始に返信します。

・ところで、かをりさんがかけてくれたあのメガネは、渡辺がPCランドでかけていたものです。それからサイン入り「トラバ記録更新記念パネル」は僕がもらいました。

12月16日「メイドインナカノ」

・「GQ-JAPAN」編集部の川瀬さんから連絡。『爆スス』放映を見てアクセスしてきてくれたのだ。ちょうど「中野ブロードウェイはジャパニーズカルチャーとして世界に輸出できるか」というテーマの記事を作成中だったらしい。

・こういうメディアで、こういう視点でオタク文化を扱う試みは僕としても興味深い。すぐにインタビューを受け、いろいろと情報や意見を提供させて頂いた。日本独自の都市構造に生まれた「日常の延長の異世界」という話で盛り上がる。掲載は3月号(1/26発売)。

・さて、最新「中野ブロードウェイ」情報をいっこ。ウチの近所のゲームセンターが「メイドゲーセン」になって大好評!(=写真)。

PROFILE

渡辺浩弐
渡辺浩弐
作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。