第245回

1月16日「小説もメールで」

・ケータイでいろいろな情報を検索できる「ニワンゴwww.niwango.co.jp」のテストサービスがいよいよ、始まった。

・改めて紹介しておくと、「メールアドレスm@niwango.jpに知りたい情報や言葉を入れてメールを送ると、問い合わせた内容やそれに関連する情報を返信してくれる」というサービス。情報料タダだし、パケット軽いし、ほぼ全機種対応だし、ぜひ試してみてほしい(まずは空メール送ってみるといい)。

・短いメールのやりとりをする感覚でいろいろな情報を読むことができる。乗換案内とか天気予報だけじゃなく、要望に応じてネット上にある書き込みも引っぱり出してきて、なんか雑談みたいな感覚で楽しませてくれたりも。その話し手がつまり「ニワンゴ」っていうAIエージェントっていうわけ。役に立つこともしてくれるが時間を潰すことにもつきあってくれる、つまり元来のイメージの「ロボット」を目指したものといえるかもしれない。

・「小説」と送ると、渡辺浩弐のショート・ショートも読めるよ。

1月17日「ヒント:ギャラと出番は反比例する」

・『マインドハンター』試写。FBIの心理分析官候補のエリート、すなわち人の心を読む技術を持つ若者達が、訓練のため無人島に閉じこめられる。そこで発生する凄惨な事件。手の込んだ罠に捉えられては一人、また一人と殺害されていく。

・犯人はメンバーの中にいるということになる。殺人時刻は予告されており、その方法のヒントも示される。疑心暗鬼でお互いを観察しあい、心を読みあうプロセスがスリリングだ。

・このジャンルについては、我が国にも豊かな作品群とファン層が存在している。例えば、松岡圭祐作品。そして「理詰めの心理戦」というテーマの作品はコミックとライトノベルの世界で今、大ブームと言って良い状況なのである。

・今年は『デスノート』実写映画化に期待。

1月18日「眠れる映画大国目覚める?」

・『ナイト・ウォッチ/NOCHNOI DOZOR』試写。ロシア製のファンタジー大作とは珍しい、と思うかもしれないが、米ソ宇宙開発競争が拮抗していた時代、つまりスピルバーグ&ルーカス時代の到来以前は、ロシア(ソ連)もSFスペクタクル大国だったのである。

・現代社会に潜む超能力者達は「光の軍団」と「闇の軍団」に別れ、敵対しつつも総合に監視しバランスを保ちながら暮らしている。つまり冷戦時代が続いているというわけ。しかし一人の少年の生誕により、そのバランスが崩れ始める……。

・最新SFXについても安易に西側のスタジオに頼らず、ロシアじゅうのスタジオを総動員してこなしたそうだ。静謐でダイナミックな映像センスは、全盛期のロシア映画の延長にあるように感じられる。

PROFILE

渡辺浩弐
渡辺浩弐
作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。