第342回

12月19日「法で管理できると思ってるのか」

・ネット上でコンテンツが無料化していくと情報世界は新タイプの共産主義へと移行していく。しかしその動きを止めようと体制側や資本側から理不尽なる力を加えるとしたらそれはファシズムとしての社会主義になるわけだ。

・個人が覚醒すること、個人の覚醒を促すことにしか解決策はない。つべこべ文句言っても効果はないことは、わかった。ならば勝手に突っ走ったものの勝ち。

12月20日「では、どう稼ぐか」

・企業側の焦りは的はずれである。稼ぐ方法は、従来とは別の形で出現するはずなのだ。そのあたりをじっくり考えていこう。

・ただし勘違いしてはいけない。ネット上の無料の情報を無自覚に転がすことでお金にはならない。自分個人としてのオリジナリティーを付加しなくてはいけない。

・若いクリエーターで悩んでいる人、原因はそこにありはしませんか。どうしても見えてこないなら、しばらく休むつもりで、ネットに乗らない情報をサーチしてみるといいと思う。(同世代ではなく)年寄りか子供の話を聞く。(新古書店ではなく)古本屋をめぐる。(旅行ではなく)放浪をする。

12月31日「よいお年を」

・無常を感じた1年でした。残りの寿命はおまけのようなものです。好きなことを一生懸命やっていきます。

・さて、そろそろ日月時男に、動きがありそうな気配ですよ。読者の皆さんは、お正月の間も時々見に行ってみて下さい。

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PROFILE

渡辺浩弐
渡辺浩弐
作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。