第357回

4月2日「一期一会」

・『世にも奇妙な物語』の「DVDの特別編1・2」が送られてきた。世にもシリーズは今、過去作品も含め再評価されているようだ。昔のものを見直してみると、このシリーズの魅力の一つにキャスティングのセンスがあることがわかる。いい俳優がいい時機にいい演技を見せている。

・渡辺浩弐原作タイトルも3本入っている。広末涼子さんのと武田真治さんのと杉本哲太さんの。時代を超えて残っていく価値があるプロジェクトに、使ってもらえて嬉しい。

4月7日「吐田君ありがとう」

・文芸誌『パンドラ』サイドB出た。伝説になりそうなボリュームだ。渡辺浩弐の新作『吐田君に言わせるとこの世界は』も、こっそり掲載されている。どう読まれるんだろうか。渡辺とうとう狂ったかと言われるのか、それとも無視されるのか。

4月8日「日々是珈琲中」

・中野ブロードウェイのカフェ予定地、内装工事が山場である。塗装が終わったので、イスやテーブルも搬入開始。独特の雰囲気になってきた。

・一方オリジナルコーヒーを作る仕事にものめり込んでいる。今日は講談社BOXの柴山さんと焙煎工場に。生豆の状態で見た上で、ブレンドの割合と焙煎の深さの組み合わせでいろいろなパターンに仕上げてもらう。さらに挽き方、淹れ方を変えていろいろ試すのである。大学ノート4冊ぶんになったコーヒーメモと指に出来たコーヒーダコに柴山さん呆れる。

・この週末までに一人で飲みきらなくてはならない豆が200杯分ある。もちろん飲みきるつもりだ。今母乳を出したらミルクコーヒーが出るだろう。母乳出ないけど。酒は時間を早送りするが、コーヒーはその逆だ。1日が36時間くらいに感じられるようになってきた。

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PROFILE

渡辺浩弐
渡辺浩弐
作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。