第364回

5月20日「小説でブログに勝てるか」

・ずーっとコーヒーいれながら、小説はちゃんと脳の中で書き続けているよ。短編アンソロジー『異形コレクション』に、書き下ろします。7月発刊予定だそうです。

・折角の舞台なので、文章の構造自体から新しい試みをやってみたい。そのためにブログの文体スタイルをいろいろ研究していた。現在形と過去形と未来形が交錯する世界。特にしょこたんの文章に漂う「死」のイメージはすごい。

5月25日「恋愛チート」

・KOBO CAFEのイベント。今回はTAGROさんを迎えてのトークショウ”Masters of Love”。二人で、読者の恋の悩みにお答えしようという企画であった。TAGROさんはもう少し仕事が落ち着かれたらお店でカクテルの開発などを手伝っていただく計画もあり。カフェマスターと恋愛マスターをかけた「恋愛升」を作ることになった。

・全てのマスにTAGROさん直筆の絵を入れてもらうという無謀な試み。本番の時刻になっても描き終わらないので、僕が先に出ていろいろ喋る。太田編集長にも出てもらって、TAGROさんの作家性についてしばし語り合う。30分は過ぎた頃、TAGROさん遂に登場。
渡辺「TAGROさん何やってたんですか」
TAGRO「マスかいてたんです」

・佐藤友哉さんが遊びに来てくださったので閉店後そのままゲーム大会。TAGROさんも鬱々たる状況を維持されつつも朝まで付き合ってくださった。ありがとうございます。

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5月26日「道筋は残った」

・『IKKI』で連載中の『サルまん2.0』が終了。デジタルのツールやインフラを使いこなすことによって個人の力でマンガをいかにメジャー展開できるか、その一つの答を竹熊健太郎氏は持っていたはずなのだ。しかし最後のハードルが個人の肉体的な限界だったとしたらとても皮肉なことだ。

・ただし、それはつまりもっと若くてもっと無謀な人なら、ネームバリューや企業のバックアップがなくてもこの方法で成功できる可能性があるということでもあり。竹熊さんは今後はそういう人達へのアドバイスやサポートをする立場になっていかれるのだろう。お疲れさまです。

PROFILE

渡辺浩弐
渡辺浩弐
作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。