第413回

4月29日「一発芸作成ツールとして」

・『メイドイン俺』(DS/任天堂)に結構はまってしまった。『メイドインワリオ』シリーズはこれの伏線だったのかと思えるほど、あのタイプのゲームが楽しく、そしてあっという間にできてしまう。ゲームというより一発芸アニメとして見せる意図で作る感じだ。

・もちろん任天堂はユーザーが作品を交換したり公開したりするシステムを整えているが、これはまたニコニコ動画向きのゲームでもある。そしてこういうツールから映像制作の世界に入っていく子供もいるだろう。

4月30日「未来経済の予感」

・ニワンゴへ。ニコニコ動画ご担当の方々といろいろ情報交換。

・SUPER GTに参戦している初音ミク痛車に個人スポンサーを募集しているという話が面白かった。初音ミクは特にニコ動においてファンを大いに楽しませているが、その代償がこういう形で払われるということが興味深い。大げさだけど、コンテンツ経済の近未来を暗示しているように思えるのだ。コンテンツはネット上で無料になっていったとしても、課金モデルは別のところに発生する。それは宗教の世界でお札やツボを売るような仕組みでいいのだ。

5月2日「テラヤマ的21世紀」

・『高円寺びっくり大道芸09』。街全体を舞台と見立てたイベント。街頭で突然始まるマジックやマイム、ジャグリング、等。中国雑伎団、フランスのシルクなど海外からの参加もあり。毎年やってほしい、というよりもう高円寺あたりはそういう街にしてしまえばいいのにと思えるほどだったよ。

・それから日本でも投げ銭の習慣がもう少し根付くといいね。

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PROFILE

渡辺浩弐
渡辺浩弐
作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。