第436回

10月1日「ツイストーリー」

ツイッターで小説を配信する試みを始めた。とりあえず平日は毎晩1本くらいのペースで。全ての話をきっちり140字で書く。

・面白そうだと思っていただけた方、自分でもやってみてはどうすか。短い小説は良し悪しが即座に明白にわかる。文体や書き手の名でごまかされることもない。読み直して面白いと思うものだけを公開すればいい。読むほうも、つまらなかった人の作品は二度と読まなければいい。シンプルだ。

10月4日「星に手が届くか」

・名月。ユーロスペースにて、安達寛高(乙一) 監督の『一周忌物語』と桜井亜美監督の『PLANETARIUM』のジョイントイベント「天体小説/乙桜学園祭Vol.2」。夜空を見上げたくなる映画2本のカップリング。二人とも超メジャーな作家なのに、映画はその名前もコネも使わず出資も受けずに素手で仕上げている。そしてきちんと劇場公開まで仕切っている。才能以外のアドバンテージは何もなかったのだから、これと同じことは誰でもできるはずなのだ。

・つまり、「だって才能ないから」以外のいいわけはもう、できないってこと。残酷だけど、そういう時代だってこと。

・安達監督といえば、「乙桜学園祭」のVol.1で上映された『立体東京』という作品も、再び上映される。4年も前の作品が今浮上したということが、安達さんの先見性を証明しているのである。この人は4年先にいるのだ。この件の情報は、次↓に。

09101701.jpg

10月5日「星に手が届くか」

・デジタルコンテンツEXPOの参加プログラムとして10月22日から開催される「国際3Dフェア2009」を手伝っている。最先端の立体視コンテンツの特徴は、今のところネットでもテレビでも絶対に伝えられないことだ。立体視環境や対応映像が、ここに来れば一気に体験できるから、まじお薦め。タダだし。

・イベントには僕も出ます。まず10月22日15:00~ お台場の日本科学未来館にて、『国際3Dシンポジウム Part 1. なるほど!3D』。出演は早稲田大学教授の河合隆史さん、株式会社ITNYの西和彦さん、料理研究家の行正り香さん。と、僕(司会)。立体映像を今後どのように活用していくか、最前線で活動されてる方々にディスカッションしてもらう。

・そして10月23日18:30~ 豊洲のユナイテッドシネマで、前述の安達寛高(乙一) 監督作品『立体東京』の上映。インディーズの立体映画はとても珍しいし、安達さんの個性が光る作品だし、大スクリーンで見られる機会は貴重だし、ぜひ来てください。以前は赤青眼鏡対応で上映されたものだけど、今回は、偏光眼鏡バージョンに変換しての上映となる。こういうイベントにこういう作品をきちんと取り上げてくれるなんて、国も良いキュレーションしてますね(乙さんに感謝される前に言っとくが、僕が推薦したわけではないのです)。そして上映の前には、安達監督と渡辺浩弐でトークショウやるよ。

こことかここをチェックしてみてください。

PROFILE

渡辺浩弐
渡辺浩弐
作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。