第484回

1月27日「NGPについて」

・ソニー・コンピュータの発表会「プレイステーション・ミーティング2011」に。PSPの後継機、コードネーム「NGP」など、大きな発表があった。

・「プレイステーション・スイート」……ケータイやタブレットPCにもPSのフォーマットを解放していくということ。’90年代のアップルが迷い込んだ互換機ライセンス戦略ではなく、’00年代アップルが成し遂げたコンテンツポータル戦略と重ねて見るべきだろう。ソニーがゲーム界で次に狙うべきはダウンロードビジネス覇者の座である。iPodが大ヒットするためにiTunesはWindows向けにも提供される必要があったわけだ。

・「NGP」……これはきちっと筋が通った、思想のあるマシンだった。ゲーム機としての思想は、左右のアナログスティック、全面と背面のタッチスクリーン/タッチパッド、本体の動きを画面に連動させる各種センサー、以上3つのインターフェイスで明確にされている。高度になったゲームを、わかりやすく操作させる。そのために、ゲームを、画面としてではなく、そこに実在する風景として、物として、手で触るように、掴んだり撫でたりするように操作させようという意図だろう。

・「ライブエリア」「ニア」……NGPの通信機能を生かしたコミュニケーションサービス。ユーザーの履歴をゲームに反映する、そして多くのユーザーのふるまいによってコンテンツの価値を上げる。どんなゲームをどのように遊んだか、だけでなく、個々のゲームユーザーが現実世界でどのように動いたか、その生活サイクルや位置情報までを取り込んでいくことができるのは、携帯端末ならではの利点。それによって、ユーザーの現実とバーチャルを重ねていくという構想のようだ。

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2011.01.31 |  第481回~

PROFILE

渡辺浩弐
渡辺浩弐
作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。