俺の夜
しっぽり? 元気に?盛り上がりましょう
続いて訪れたのは中目黒。駅から徒歩30秒、ホームからも見える「凛々」。以前はキャバクラだったが、2年前に花魁ガールズバーに業態替えしたという。出迎えてくれたのはもえちゃん(19歳)とめいさちゃん(25歳)。やはり和服好きという2人、花魁姿は「可愛くてとっても気に入っているんです」と口を揃える。
定食屋の階上という庶民的なロケーションからか、初めてのお客さんはビックリするというセクシーな花魁衣装。露わになった白い肩、太もも、うなじに目を細め酒を舐める俺。
特筆すべきはカウンターにズラリと並んだキープボトルと駄菓子。「基本料金が安いので、一度来て、朝方戻ってくるお客さんもいるほど」(めいさちゃん)というアットホームさ。裏を返し馴染みとなってからが遊郭の醍醐味と言われたが、随分“粋な遊び人”もいるものだ。
好色一代男を気取るなら、花魁と遊ばねば、野暮である。
目黒区上目黒3-3-9 第二牡丹ビル3F
電:03-6452-2206
営:(平日)20時~翌6時(金土)20時~翌8時
休:なし 2000円~(1セット50分・税・サ別)。980円プラスで飲み放題メニューあり
※SPA!見たで「キープボトル1本プレゼント」
撮影/赤松洋太 協力/O氏(夜遊びガイド)
齢40を超えると大抵のことには驚かなくなり、胸躍ることも少ない。これを昔の人は「不惑」といったのだろうか。しかし、年始にニューハーフクラブを訪れてからというもの、いわゆる「女装男(子)」の妖しさ、美しさに惹かれていることに気づいた俺。
折しも、世間では「男の娘」なるジャンルがもてはやされており、写真集やイメージビデオが数多く発売されている。AV女優(?)の大島薫やゆきのあかりなどの作品には、興奮とは明らかに違う甘酸っぱい感情が芽生えている。嗚呼、男の娘をこの目で見てみたい……。
恥を忍んで夜遊びガイドのO氏に告白すると、一瞬の沈黙ののち、秋葉原にあるという男の娘カフェバー「NEWTYPE」を紹介してくれた。
女装メイドバーでナマ男の娘に接近
秋葉原駅を出る。店に向かう道すがら、十数人のメイド姿の“リアル女子”がビラを片手に近寄ってきたが目にも留めず店のドアを恐る恐る開ける。「いらっしゃいませ~!」。コロコロと転がるような声のこだま、鼻にかかったような「オカマ系」の声ではない。お揃いの制服に身を包んだメイドが笑顔で迎えてくれる。これは、普通のメイドカフェではないか?「せ、生物学的には男性なんですよね?」と恐る恐る尋ねると「そうですよ」と笑顔を見せてくれたのは梓ちゃん。店内のすべてのメイドが俺と同じ生物とはにわかに信じがたい。普通にカワイイ、いや普通ではないのだが……。
「お飲み物は何になさいますか?」
跪いての上目遣い。はにかんだような笑顔で注文を取りに来たのはゆきりん(20歳)。そのまっすぐな視線に思わず顔を赤らめてしまう俺。ゆきりんは中学生の頃からこの店で働くことを夢見ていたそうで、この店は6年目を迎える「男の娘メイド店の元祖」ということを教えてくれた。
⇒【後編】に続く https://nikkan-spa.jp/833010
まっすぐな瞳と笑顔で尽くしてくれる
しかし、ニューハーフと男の娘の違いはなんだろうか? 率直な疑問をぶつけると、「工事や整形などはせず、ありのままの姿で、女のコの格好をするのが男の娘です。歌舞伎の女形をイメージしてもらえるとわかりやすいかも」と梓ちゃん。
となると恋愛対象は?
「ほとんどのコが男性と女性、両方の内面を持っています。私は好きになる人は男女両方。カテゴライズされると困っちゃう」とも。街を歩けば男からナンパされるほどの美貌の持ち主だが、「ナンパするような男は大嫌い」と「硬派」な一面を見せる梓ちゃんなのだ。
自身も男の娘で、店長のさきさんは巷の“男の娘ブーム”に「アンダーグラウンドから当たり前の存在として受け入れられるようになれば」と喜ぶ。少なくとも俺の中ではもう「当たり前」。腰を据えて通ってみよう。
【NEW TYPE】
千代田区外神田3-7-2 イサミヤ第8ビル 3F
電:03-5577-5565
営:18~23時(火~木、日・祝)、18~29時(金・土・祝前日)
休:月
料:チャージ1500円(ワンドリンク付き、時間制限なし)ドリンク600円~、オムライス1200円 ●居酒屋系フードメニューも充実
撮影/渡辺秀之 協力/O氏(夜遊びガイド)