電気グルーヴ「若いときの自分らを今見ると、ほぼ他人です」 26年の軌跡を振り返る
その圧倒的な音楽性と破天荒なパフォーマンスで唯一無二の存在であり続ける電気グルーヴ。日本のテクノシーンの牽引役である石野卓球と役者としても評価を高めるピエール瀧が歩んできた“26年の軌跡”はこの冬、映画となって我々の脳天を直撃することになるのだが……。この映画化は彼らならではの“悪ふざけ”なのか、誰もなしえなかった究極の“たくらみ”なのか――。熱狂的な電気グルーヴファンを自任する渋谷直角が迫った!
電気グルーヴの26年の活動をまとめあげたドキュメンタリー映画『DENKI GROOVE THE MOVIE?~石野卓球とピエール瀧~』(大根仁監督)が間もなく公開される。今でこそ別々のフィールドでも活躍する2人だが、それぞれの目に“原点”はどう映ったのか? 関係者コメントなども交えながら銀幕の中に登場するのは、貴重な過去のライブシーンや楽屋での2人の素顔、そして異常なまでの「仲のよさ」だ。
――ライターの渋谷直角です。よろしくお願いします。
卓球:あ、マンガ(※)読みましたよ。めっちゃ面白かったです。
※今年発売された渋谷直角氏の著作『奥田民生になりたいボーイ 出会う男すべて狂わせるガール』
――わっ。ホントですか!
瀧:マンガも描かれてるんですか。
卓球:(瀧に)ホント面白いよ。
――う、嬉しいです。今回の映画ですけど「電気グルーヴはカッコいい」っていうのがすごく伝わるなと思いました。今まではバンドのカッコよさが、なかなか世間に伝わりきれてない部分もあったと思うんですが。
卓球:最初は悪フザケばっかりでしたからね。自分らでも「そりゃ伝わらねえわ」っていう(笑)。
瀧:ラジオやってるようなキャラクターと、ヨーロッパでライブやるみたいなのと、自分らでは分け隔てはしてないつもりなんですけど、同時に噛み砕いてくれる人はあまりいない。そういう部分を、大根さんが翻訳してくれたというかね。
――この企画はどういう始まりだったのでしょうか?
卓球:自宅を掃除していたらVHSのテープが段ボール箱3つぐらい出てきたんですよ。初期のライブとかテレビのやつの。「このままだと次の大掃除で捨てちゃうな。それも少しもったいない」と思って、事務所に持ってって「デジタルに起こしてよ」って。そのときに「これで映画作れば?」「いいっすね」と冗談みたいなノリだったんですけど、結果、ほんとにできちゃった。意外にちゃんとした形で(笑)。
――監督が大根さんというのは、お二人の希望だったと聞きました。
瀧:素材が膨大じゃないですか。だから時代感とか僕らの立ち位置とか全体がある程度わかった人じゃないと、VHSを見て「これはこういう意味です」と毎回説明するのもシンドイでしょ。だからそこを理解しつつまとめてくれそうな人って、大根さんしか思いつかなかったですね。
卓球:大根さんの視点が客観的だから、すごくよかったですね。むりやりドラマチックにしようとかでなく、そのまま。
瀧:ドキュメンタリーって作る側が自分の思いを入れすぎちゃうときってあるじゃないですか。それがないので。その客観性が、自分でも観ててそんなに恥ずかしくならないところですね。
――初期のお二人の悪ガキっぽさはビースティ・ボーイズに負けてないというか、やっぱ最初からカッコいいなって思いましたよ。
卓球:それはビースティ・ボーイズに失礼(笑)。
瀧:まあ、21とか22歳の頃なんで。今48歳じゃないですか。今見ると、ほぼ他人ですよ。「若いコがイキって頑張ってんな」って感じ(笑)。
――過去のライブのMCで言ってたこととかは覚えているんですか?
瀧:そのときのノリで喋ってるからあんまり。今回見てみて、「あ、こんなこと言ってたっけ」っていう。まあロクなことは言ってないんだろうなっていうのはありましたけど、ヤバいこともそんな言ってなかった。
――え、そうですか!?
瀧:まぁ僕らの感覚でっていう(笑)。
卓球:チェックは通ったんだろうね。
瀧:そうでしょう。会社のね。
このあとインタビューはまだまだ続きますが、その模様は12/15発売の週刊SPA!に掲載されているインタビュー連載『エッジな人々』をご覧ください。<取材・文/渋谷直角 撮影/齋藤清貴 スタイリスト/上野真紀(Upward) Maki Ueno(Upward) ヘアメイク/SHUTARO(vitamins)>
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