「貧乏弁護士」が急増。飲食店でバイトする若手も…
日本における国家資格の最難関である司法試験。突破した者には富と栄誉が約束されていたのは、今や昔。気がつけばサラリーマンよりも稼げない若手弁護士が急増。その困窮の現場を探った。
超難関で知られる司法試験をクリアした弁護士といえば、リッチなエリートの代名詞的存在。そんな誇りとともに弁護士バッジを胸につけた彼らの残酷物語を、日経新聞が報じて話題になっている。「弁護士の年収低下 新人は5年前比210万円減」と題した同記事は、法務省が日本弁護士連合会の協力を得て実施した調査結果による。’15年に弁護士登録した新人の平均年収は568万円。’10年に弁護士登録した新人の同778万円に比べ27%もダウンしているという。
4年間の勤務弁護士生活を経て今年独立した若手弁護士の山崎みのりさん(仮名・38歳女性)は、新人時代を苦しそうに振り返る。
「日経の記事は、勤務弁護士のことでしょう。確実に年収は減っています。私が勤めていた法律事務所では、私より10年前に入った先輩は、月給40万円から始まり、今は年収1000万~1500万円くらい。ですが私は4年間ずっと月給30万円のままでした。一旦上げた人の給料を下げられないから、新しく入ってくる人の給料を最初から低く設定して、上げることもできないんです」
下記の司法試験合格者推移のグラフのように、’06年に新司法試験制度が導入されて以来、合格者数は毎年およそ500人程度増え、10年間で1万4000人以上も激増。しかし、民事・刑事の事件数はむしろ減っているため、弁護士一人あたりの仕事はさらに減るという絶望的な状況だ。日弁連がまとめた『弁護士白書2015年版』によれば、’06年には弁護士業界全体の平均年収は3500万円を超えていたが、’14年には2500万円を割り込んだという。
⇒【グラフ】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1191637
リッチなエリートのイメージは過去のもの

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