リッター40kmでも4代目プリウスに世界征服はムリ。ハイブリッドカーには節約の道しかないのか?

’97年12月に世界初の量産ハイブリット乗用車として登場したトヨタのプリウス。世界一のハイブリッドカーであります。そのプリウスが、間もなくフルモデルチェンジ。4代目に生まれ変わります。そのプロトタイプに乗ってみたのですが、一番驚いたのは、デザインでも燃費でも乗り心地でもなく、洗面台のようなセンターコンソールの造形でした

⇒【写真】はコチラ http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=988866

間もなく登場する国宝プリウスの新型の評価に悩みましたMJブロンディ=文 Text by Shimizu Souichi
池之平昌信=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu

◆この道しかない? 間もなく登場する国宝プリウスの新型の評価に悩みました

 世界初の量産ハイブリッドカー・プリウスは、日本の優れたモノ作りの象徴。最近はロケットやジェット機の陰にちょい隠れ気味だが、日本がロケットやジェット機の分野で世界一になるのは絶対ムリだ。しかしハイブリッドカーの分野では、プリウスがブッチギリで世界一。2位じゃダメなんだよ! プリウスこそ国の誇り。国宝とも言える。

 その国宝が間もなくモデルチェンジし、4代目にバトンタッチする。世界一から世界一へ! これは全国民が注目すべき大イベントと言っていい。ブォ~(法螺貝の音)。不肖ワタクシ、そのプロトタイプに試乗してまいりました。

4代目プリウス

「4代目プリウスは顔面が崩壊している」といった声も聞かれますが、しばらくすれば見慣れるので問題なし。洗面台的センターコンソールにも、そのうち慣れるでしょう

 して、その評価に悩んでいるところでござる。

 なぜ悩むかと申しますと、十分イイという思いと、これでイイのかという思いが交錯するからである。

 まず前提として、6年前の3代目プリウス登場時とは、世情がかなり変わっている。6年前はリーマン・ショック直後の不況ドン底期で、だからこそ節約のエースであるプリウスは大スター。「リッター38㎞」というカタログ燃費に全国民が熱狂した。実際にはそんなの死んでも出ませんけど。

ハイブリッドカー・プリウス

先代プリウスの実燃費はおおむねリッター20㎞。新型はリッター22㎞強まで向上している……はずだ。歩行者にも反応する自動ブレーキも装備できるようになります。

 しかし現在は、緩やかながらも景気は回復している。原油安でガソリン価格は下落しまくり、節約気分は薄らいでいる。グローバルで見れば節約どころか贅沢がトレンドだ。

 そんななか4代目プリウスが新たに叩き出したカタログ燃費は、リッター40㎞。無知な国民が「そんなに変わらないやないけ!」と思っても無理はない。実はこの6年間で燃費の計測法が変わって(10・15モード⇒JC08モード)、1割くらい基準が厳しくなってるんですよ。

 つってもやっぱリッター40㎞なんて実際は出ませんし、しかもリッター40㎞は燃費スペシャルの特殊グレードだけ。それ以外はリッター37㎞だ。パッと見、「先代より下がってるやんけ!」である。

 本当のところ、実燃費は先代より約1割向上している。先日初飛行に成功したMRJは、「他社機より燃費が2割いい」というのがウリだが、プリウスはもともとガソリン車の半分の燃費というところから出発しているので、1割削るのも血の出るような努力の賜物。さすが国宝! スバラシイ! ただ、今さらその1割に熱狂する国民は多くない。グローバルではもっとそうだ。アリの努力を横目に、キリギリスはデカいSUVでブイブイ言わせている。それが世界的トレンドなのである。

 新型プリウスのカイゼンは、すべてが地道だ。燃費に限らず走りも同様。もっといいクルマを! という豊田章男社長の掛け声のもと、ボディ剛性を高め重心を落としサスを改善しトランクを広くした。アスリートがコンマ1秒を削るために体をいじめ抜くように。涙が出ます。

 確かに新型プリウスの走りは良くなった。ドイツ車的にかなりガッチリしたし、曲がるのも得意になった。音も静かだ。しかし加速はあまり変わってない。燃費が命なのでどうしてもそうなる。プリウスのコンセプトである「節約」はいささかも揺らいでいないのだ。

 それで全然OKなのは世界中で日本だけ。あとアメリカで少々。その他の国々では「高いカネ払ってまで節約したくねえし!」とサッパリだ。中国人なんぞ見向きもしない。つまり、4代目プリウスが世界を征服する日は来ず、逆にますますガラパゴス化する可能性が高い。

 それでもプリウスはこの道を進む。この道とはつまり節約の道。武士道の如き一途な節約道である。そこに少しだけ疑問も生じるのだ。本当にプリウスにはこの道しかないのか? 節約だけじゃなく、人類の贅沢系の欲望に応えるプラスアルファがあってもいいんじゃ?と。そうしないと世界制覇はムリなので。

 せめて、追って登場するはずのプラグインハイブリッド版は、もうちょいパワフル系だとガラパゴス化を免れる気がするのだが……。

4代目プリウスのセンターコンソール

驚愕したのは洗面台みたいなセンターコンソール。4代目プリウスはTOTOから部品供給を受けているのか?と、世界的ブーイングを食らいそうだ

【結論】
とは言うものの、「信じて進めばいつか道は開ける」という思いも抱きます。プリウスがひたすら節約道を歩んでいるうちに、ガラパゴス転じて世界制覇が実現するかもしれない。信じる者は救われる!といいな

20~30代女性から大ブーイング!社内評価も下げる‟男のニオイ問題”を素早く解決する方法【PR】

20~30代女性から大ブーイング!社内評価も下げる‟男のニオイ問題”を素早く解決する方法【PR】
 そろそろ梅雨の足音が聞こえてきそうなこの季節。今年も、あの蒸し暑さのなか働かなければいけないかと思うと憂鬱になる人は多いはず。そんな汗ばむ季節に注意…

連載

ばくち打ち/森巣博
番外編その3:「負け逃げ」の研究(4)
メンズファッションバイヤーMB
プロが激賞「高級サンダルが2000円台で買える!」
山田ゴメス
「なんちゃって石原さとみ」が増加中!? 7つのメイクと7つの仕草で翻弄される男たち
オヤ充のススメ/木村和久
プロ客から見たキャバクラの世界
フミ斎藤のプロレス講座/斎藤文彦
“ホーガン不在”のウォリアー政権――フミ斎藤のプロレス講座別冊 WWEヒストリー第100回
英語力ゼロの46歳バツイチおじさんが挑む「世界一周 花嫁探しの旅
「テラスハウスの一員になろう」――46歳のバツイチおじさんはイケメン&美女集団に溶け込もうとした
原田まりる
純潔な弟に風俗で女性経験させようとした姉の話
18歳女支配人・このみんの経営学「私のミカタ」/園田好
中2まで、巨乳はコンプレックスでしかなかった
大川弘一の「俺から目線」
死神bot、LINEで始動――連続投資小説「おかねのかみさま」
プロギャンブラー・のぶき「人生の賭け方」
熊本地震の災害ボランティア、現状の課題は「参加希望者の再分配」だ
フモフモ編集長の今から始める2020年東京五輪“観戦穴場競技”探訪
“東京五輪”なのに伊豆(静岡県)開催の自転車競技を追っかけてみた件
おじさんメモリアル/鈴木涼美
「顔じゃなくて知性で女を選ぶ」男の無知性
僕が旅に出る理由 in India/小橋賢児
北インド秘境で「宇宙に住んでいる」と実感した――小橋賢児・僕が旅に出る理由【最終回】

投稿受付中

バカはサイレンで泣く 投稿受付中
佐藤優の人生相談 投稿受付中