更新日:2022年07月15日 17:36
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日韓の“友好関係”の新しい一歩に…両国の国宝仏像を展示する展覧会が開催

日本と朝鮮半島の交流の原点に触れ、日韓関係の新しい一歩に

照明を落とした展示室で、2体が向かい合って展示されている。穏やかな表情で互いを思い合うかのよう

 今回の展示は、2012年に当時国立慶州博物館の李榮勳館長(現国立中央博物館館長)から「両国の仏像を扱った展覧会を開催したい」と早稲田大学の関係者に提案したのがきっかけだったという。  東京国立博物館特別展室長の丸山士郎氏はこう語る。 「『日本と朝鮮半島の交流の原点に触れ、日韓関係の新しい一歩になれば』という両国関係者の情熱がこの展示を叶えました。どちらか片方の思いだけでは、決して開催まで漕ぎつけられなかったでしょう」  日本と韓国は古い歴史の中で文化交流を続けてきた。朝鮮半島から古代日本には多くの文化が伝えられ、日本はそれをもとに独自の文化を育み発展していった。かつて日本の人々は朝鮮半島の進んだ文化や技術に憧れ、追いつき追い越したいと取り入れていった。また朝鮮半島の人々も重要な外交国として日本を認め、お互いを尊敬し合っていた。そんな時代の人々と同じような思いが、この展覧会を開催させたと言えるだろう。  今回の展示に先立ち、韓国国立中央博物館でも「韓日国宝半跏思惟像の出会い」という展覧会で二つの仏像を展示した。多くの来場者の中には、それぞれの仏像の違いに驚く人もいれば、半跏思惟像が両国にあったことに「平和を願う気持ちは同じなのだ」と感想を述べた人もいたという。 「仏像の美のみならず、古代から続く両国の交流の証である2体の仏像からその歴史にも思いを馳せてほしい。この展覧会が、日韓関係のより一層の改善に役立てるなら嬉しいです」(丸山氏)  日韓関係が思わしくないというニュースを見ることもあるが、この展覧会は我々の先祖たちが培ってきた友好的交流を思い出し、改めてお互いを思い合う機会になるだろう。 会期:2016年7月10日(日)まで 会場:東京国立博物館 本館特別5室 開催時間:9:30~20:00(入館は閉館の30分前まで) 休館日:会期中無休 観覧料金:一般1000円、大学生700円、高校生400円、中学生以下無料 展覧会公式サイト:http://hankashiyui2016.jp/ 取材・文・撮影/鈴木麦
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