「孤独死は独居老人より独身40代のほうが多い」特殊清掃人が断言
特殊清掃人として孤独死の最前線に立つ石見氏によれば、中年の孤独死には共通する特徴があるという。50代の独身男性が都内自宅で孤独死していたケースでは、遺体発見時には死後3か月が経過。メーカー系プログラマーとして活躍していたが、糖尿病で療養中だった。この男性の部屋も例に漏れず大量のゴミが床を埋め尽くしていたが、整理収納に関する書籍が複数発見されたという。自身の生活に危機意識を持ちながらも抜け出せなかったようだ。
「ほかにも『健康は精神の安定から』などといった自戒メモが大量に残されていることも、中壮年男性の孤独死現場にはよくあります。また、アニメのDVDやフィギュア、ワインなどの収集品が大量に残されていることが多いのも特徴。アウトドアな人よりは、インドアな人が孤独死に陥りやすい」
厚生労働省が発表した平成27年版「厚生労働白書」によると、日本人男性の生涯未婚率(50歳までに一度も結婚したことがない人の割合)は22.8%。さらに、’35年には約3人に1人の29%に上ると推計され、現役世代の孤独死予備軍は今後も増加の一途を辿る。淑徳大学教授で孤独死に詳しい結城康博氏もこう指摘する。
「ここ数年は現役世代の孤独死が増加傾向にあり、20~25%を40代、50代が占めています。そんななか、女性よりも社交性に乏しい男性は、さらに孤独死の可能性が高い。例えばマンションの廊下などで隣人と会っても挨拶もしないような独身男性は、立派な孤独死予備軍と言っていい。地方出身で周りに親族もいなければなおさら。また、独身男性は食生活が乱れやすく、脳梗塞などで突然死するリスクも高いでしょうね」
同特集では、孤独死だけでなく、健康不安や地方左遷など「生涯未婚予備軍」を取り巻くヤバすぎる日常に密着。「仕事面」「健康面」「恋愛面」において、どんな危機的状況が彼らを待ち構えているのか徹底取材している。彼らのクライシスな日々を目撃し、独身者なら今後の人生を考え直すきっかけになるかもしれず、また既婚者ならば「結婚してるだけマシだった」と溜飲を下げられるかも!? <取材・文/週刊SPA!編集部 写真提供/あんしんネット>
【特殊清掃人・石見良教氏】
アールキューブあんしんネット事業部長。孤立死問題や高齢者のゴミ問題など講演も各地で実施 http://www.r-anshin.net
【社会福祉学者・結城康博氏】
地域包括支援センターでの社会福祉士勤務を経て、現在は淑徳大学教授。著書に『孤独死のリアル』(講談社現代新書)など
1
2
![]() |
『週刊SPA!11/1号(10/25発売)』 表紙の人/ 山本彩 電子雑誌版も発売中! 詳細・購入はこちらから ※バックナンバーもいつでも買って、すぐ読める! |
|
『孤独死のリアル』 「孤独死はもはや身近な問題」。地方自治体の高齢者福祉担当職を経て研究者になった著者が、経験や現場の本音をふまえて語る ![]() |
【関連キーワードから記事を探す】
「少額でもとにかく早く始めたほうがいい」40代が“初めての資産運用”で失敗しない方法
47歳の元パチプロ「破滅の始まり」を語る。高校中退してパチプロになるまで
43歳アルバイト、年収250万円男性の苦悩「恥ずかしくて友達には会えない」
新卒での就活失敗を今も引きずる40代非正規雇用者「世帯年収は260万…娘の進学希望も叶えられない」
「40代でも、スムーズに幸せな結婚ができる男性」に実は共通している特徴
2年ぶりに帰省したら実家がゴミ屋敷になっていた
初めての一人暮らしで女子大生が体験した恐怖「玄関に住人からの張り紙が…」
夜になるとお経を唱える、ベランダで散髪…サイコな隣人たち
「一人暮らし」は必要か? 親元を離れてはじめてわかること
薄給・転勤で“孤独地獄”へ陥った35歳男の絶望「繋がりといえばFacebookでいいねをするくらい…」
無人島にたったひとりで暮らす男性が「東京で働いていた頃のほうが孤独だった」と感じるワケ
「友達も彼女もいない自分が結婚するには?」42歳中年童貞の切実過ぎる悩み
友達のいない38歳がスケボーを始めたら悲惨な結果に「肩の骨を折って全治1か月、仕事も…」
45歳エリート営業マンの転落…課長就任後、2人の部下をうつにさせ年収130万円ダウン
下着ドロで人生一転、年収500万円と友達を失った男39歳「ずっとひとりなんですかね…」
カズレーザー、出演オファーが殺到しても「週1日休み」を確保するワケ
年収1000万と700万の人では、休日の過ごし方が違う。趣味や睡眠時間にも差が
酒とクルマと美女と…プレミアムフライデーを満喫できるサービス5選
カネがなくとも、休日にのんびり映画鑑賞ができる!? 無料お試し期間&無料Wi-Fiスポットで挑戦
エアレース“サムライ”室屋が連覇達成! ファンも選手もメディアも超ゴキゲン
「大丈夫」と言われても実は大丈夫ではない…”女性の本音”が理解できない男性が知っておくべき5つのこと
男性が「本当に相性がいい女性」を見極めるために欠かせない“5つのポイント”
スーパーで「うぐいすパン」を買ってくる夫に対して、真剣に悩む妻。結婚後の「こんなはずでは…」を避けるために必要な行動とは
「男性に幻滅してしまう女性」の本音…口にしないけど、実は嫌われる“男の言動”
「結婚相談所はモテない人が集まるところ」結婚したいのにできない42歳男性、“人生を大きく変えた決断”
無人島にたったひとりで暮らす男性が「東京で働いていた頃のほうが孤独だった」と感じるワケ
高齢者が「孤独に陥りやすい」わけ。見逃してはいけない“7つのシグナル”
「年金額が月10万円以下という人も少なくない」中高年独身女性の貧困が放置されてきた理由
57歳で突然の雇い止めにあった女性。小さな飲食店を始めるも事業に失敗…月収は10万円以下、必死の節約で老後に備える
「65歳以上というだけで門前払い」家を借りられない高齢者が増加、4人に1人が賃貸の“入居拒否”を経験
特殊清掃業者が遭遇した「時が止まったままの部屋」。裁判で揉めて“死後2年間”も放置
熟年離婚した70代の父が“ゴミ屋敷”で孤独死。「怒りしかない」息子が現実を受け入れるまで
遺体発見まで平均18日…“年間8万人以上”にも及ぶ「孤独死」の“悲惨な見つかり方”<漫画>
特殊清掃員が明かす、“孤独死”現場に共通している3つの特徴
特殊清掃員がみた「認知症患者のゴミ屋敷」“ならでは”の特徴。「孤独死現場よりもひどい」実情とは
“親が子をプレゼンする”婚活パーティが盛況も…“本人不在”の婚姻に潜む歪な問題点
男だって救ってほしい!“弱者男性”の裏流行語ベスト10
「世界一周花嫁探し? 調子に乗るなよ。奥さんの気持ちも考えろ」――46歳のバツイチおじさんは故郷で親友に説教された 〈第5話〉
「歯を治し、予防注射と保険も完璧」――46歳のバツイチおじさんは最強のボディを手に入れた 〈第4話〉
「整理しても、妻への未練は捨てきれず」――46歳のバツイチおじさんは助っ人を呼ぶことにした 〈第3話〉