“脱サラ”ラッパーMC正社員が主催する「フリースタイルバトルイベント」大ブームの裏側
しかし、イベントの現場に集まる人数は多くて200人程度。客層も男ばかりだったという。その転機となったのが、高校生ラップ選手権の放送だ。
「参加者もお客さんも一気に若いコや女性が増えました。最近はいわゆる業界人や異ジャンルのバンドマン、アイドルや芸人さんも遊びにくるようになりましたし、素直に嬉しいですね」
最近ではヒップホップシーン以外からのオファーも増えている。池袋PARCOからの提案で行われた無料イベントにはなんと1200人が集まった。
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「ただ、バトルの賞金や音源の売り上げで生活できているラッパーはまだ全体の1%程度。そこはイベントを運営する自分が責任を取らなければと感じています。レーベルを立ち上げてCD制作費を払ったり、DVDの売り上げを出演者に還元するなど、今は継続的にお金が入るような仕組みを整えている最中です。CM出演やラップ講師など、多目的に活動できるようにして、業界全体がうまくまわるようにするのが目標ですね」
当意即妙なリリック(言葉)の応酬やラッパーたちのキャラクターまで、一度バトルを目にすれば興味がない人でも惹きつけられ、小中学生からアイドル、果てはサラリーマンや経営者まで巻き込みつつあるMCバトル。ブームから、次第に老若男女を問わない「カルチャー」として定着するのもそう遠くないはずだ。
【MC正社員氏】
本名・吉田圭文。戦極MCBATTLE主催。自らもラッパーとしてバトルに参戦していたが、運営を中心に活動するようになり、現在のフリースタイルブームの土台を築く
<取材・文・撮影/週刊SPA!編集部>
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