変革を先延ばしにする日本企業の体質があらわに…日本に「国際会計基準」が適用されていない理由
その後、’11年にオリンパス事件が発生。再びIFRSによって会計を透明化する必要性に注目が集まった。しかし、政権交代などの余波でIFRSの適用についてはまたも二転三転。なんと、実は今も統一できていないんだとか。
「現在は、日本基準、アメリカ基準、国際基準、日本が考える国際基準の4種類のうち、どれを使ってもいいことになっています。国内企業同士すらきちんと比較できない、いびつな状態なんです」
変革を先延ばしにする日本企業の体質があらわになった形だ。しかしコーポレートガバナンスや、日本型の長時間労働の改善など、グローバル化の波はもはや次の課題を日本企業に突きつけている。IFRSの問題は、その前哨戦にすぎなかったと言えるだろう。
●結果
組織の仕組みや労働意識へと課題はさらに山積み
【磯山友幸氏】
経済ジャーナリスト。日経新聞で証券部次長・海外支局長、日経ビジネスで副編集長などを歴任した後、独立。著書に『国際会計基準戦争完結編』(日経BP社)など
― あの[20XX問題]はどうなったのか? ―
1
2
|
『国際会計基準戦争 完結編』 IFRS受け入れは、日本の「敗北」か?米・欧の覇権争いに背を向け、中国にも後れをとった背景を詳細に描いたノンフィクション ![]() |
この特集の前回記事
【関連キーワードから記事を探す】
「2017年問題」に注目…事業継承問題、カレンダーの六曜問題とは?
「マイナンバー制度」でSE不足が問題化。多額の補助金投入もいまだ解消されないワケ
日本の水族館が抱える「ラッコのセックスレス」問題
2010年問題のその後を検証――製薬業界の一斉特許切れ、IPアドレス枯渇、アメリカ政府の標準暗号移行
「2007年、団塊世代の一斉退職問題」はどうなった? 日本企業の技術継承と雇用の行方は…
イギリスとEU「合意なき離脱」リスクの恐怖
“イギリス版トランプ”の実力は本物だった! EU離脱で経済危機に…
1万円札を廃止!? 世界で相次ぐ高額紙幣の廃止論議
仏大統領選は「左右」ではなく「上下」の戦いである――ルペンとマクロン決選投票を在仏ジャーナリストが分析
変革を先延ばしにする日本企業の体質があらわに…日本に「国際会計基準」が適用されていない理由
コカ・コーラの味は創業から同じ、でも「サイズ変更に踏み切った」深いわけ
リアル『下町ロケット』? 世界初「木のストロー」を実現させた女性社員の情熱
業界5位の「マツモトキヨシ」は今年首位に返り咲く…その理由は?
韓国のユニクロ不買運動はどれほどの痛手なのか?株価は意外にも…/馬渕磨理子
「メルカリは赤字でヤバい」は本当か?/馬渕磨理子
「仕事の劣等感」が一瞬で消える考え方。社会で生き残るキーワードは“劇団員”
「変化を嫌う、職場の老害」が生まれるワケ。仕事が“10倍効率化”しても不機嫌に
毎日が“ツラい”を消す技術。元レンジャー大畑「心を沈ませない鍛え方が重要」
会社員は最高の働き方?サラリーマンの魅力を再確認する5か条
「人手不足なのに、上司の無理な目標がツラい」ストレスに悩む40代に解決策を提案
新トランプ政権下で期待できる日本株は?ドンキほか米国進出銘柄を識者がズバリ
セイコーの腕時計が「ちょっと惜しい!」理由 【腕時計投資家・斉藤由貴生】
DeNA前球団社長・池田純×全日本柔道監督・井上康生、2人のリーダーに共通する考え方「個人の得より社会の徳」
「2007年、団塊世代の一斉退職問題」はどうなった? 日本企業の技術継承と雇用の行方は…
情報共有は紙と口頭で…文部科学省の対応にひろゆきが苦言「長期的には間違い」