更新日:2017年11月15日 18:02
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「通商と軍事で中国を懲らしめろ」トランプ政権を操るドラゴン・スレイヤーたち【評論家・江崎道朗】

日本のマスコミが報じない、アメリカ軍の現場の本音

パンダ 経済だけでなく軍事面でもトランプ政権の主敵は中国だが、実はアメリカは一枚岩ではない。  アメリカの国務省や情報機関のCIAはどちらかといえば中国贔屓で、親中派が多い。首都ワシントンには、多くの民間の外交シンクタンクがあるが、民主党系、つまり中国寄りのところが多い。  このような親中派は「パンダ・ハガー(パンダを抱擁する人)」と呼ばれ、この勢力が長らくワシントンで多数派を占め、オバマ民主党政権でも権勢を誇っていた。  一方、「ドラゴン・スレイヤー(竜を殺す人)」といって中国に対する厳しい見方をする少数派がいて、トランプ政権になると、彼らが対中政策を主導すると目されている。  ドラゴン・スレイヤーの代表格が、トランプ次期大統領の軍事政策顧問の1人であるランディ・フォーブス連邦下院議員だ。オバマ民主党政権時代に「オバマ政権は、尖閣を守ると明言せよ」と訴えてきた政治家だ。このフォーブス下院議員とともに対中政策を構築してきたのが、前述したナバロ教授たちであり、ハワイにある太平洋軍司令部の情報関係者たちだ。
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ハワイにある太平洋軍司令部が東シナ海の安全を担っている
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(えざき・みちお)1962年、東京都生まれ。九州大学文学部哲学科卒業後、石原慎太郎衆議院議員の政策担当秘書など、複数の国会議員政策スタッフを務め、安全保障やインテリジェンス、近現代史研究に従事。主な著書に『知りたくないではすまされない』(KADOKAWA)、『コミンテルンの謀略と日本の敗戦』『日本占領と「敗戦革命」の危機』『朝鮮戦争と日本・台湾「侵略」工作』『緒方竹虎と日本のインテリジェンス』(いずれもPHP新書)、『日本外務省はソ連の対米工作を知っていた』『インテリジェンスで読み解く 米中と経済安保』(いずれも扶桑社)ほか多数。公式サイト、ツイッター@ezakimichio

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 ’17年、トランプ米大統領は中国を競争相手とみなす「国家安全保障戦略」を策定し、中国に貿易戦争を仕掛けた。日本は「米中対立」の狭間にありながら、明確な戦略を持ち合わせていない。そもそも中国を「脅威」だと明言すらしていないのだ。

 日本の経済安全保障を確立するためには、国際情勢を正確に分析し、時代に即した戦略立案が喫緊の課題である。江崎氏の最新刊『インテリジェンスで読み解く 米中と経済安保』は、公刊情報を読み解くことで日本のあるべき「対中戦略」「経済安全保障」について独自の視座を提供している。江崎氏の正鵠を射た分析で、インテリジェンスに関する実践的な入門書として必読の一冊と言えよう。

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