更新日:2022年08月19日 10:02
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安倍総理の真珠湾訪問では、ハワイにある特攻隊記念碑にもお参りをしてほしい【評論家・江崎道朗】

【江崎道朗のネットブリーフィング 第1回】 トランプ大統領の誕生をいち早く予見していた気鋭の評論家が、日本を取り巻く世界情勢の「変動」を即座に見抜き世に問う!

アメリカ海兵隊が建てた日本兵記念碑

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碑面には「日本機突入地点」として飯田大尉の所属が記されている

 ハワイにも、特攻隊の記念碑があることをご存じだろうか。それも建立したのは、日本人ではない。アメリカの海兵隊だ。  2014年秋、ハワイにある米軍の太平洋軍司令部を訪問したときのことだ。  太平洋軍というのは、アジア太平洋を管轄する米軍のことで、在日米軍はこの太平洋軍の指揮下にある。よって、いわゆる沖縄の在日米軍基地問題についても、この太平洋軍が所管している。  太平洋軍の司令部を訪問し、いわゆる尖閣諸島の防衛や北朝鮮による拉致問題の被害者救出などについて米軍幹部と協議をしたのだが、その際、米軍関係者から「君は日本人だろう。ならば、あそこにお参りに行くべきではないのか」と言われて、連れていかれたのが、カネオヘ米海兵隊ハワイ基地の一角に建てられている、飯田大尉記念碑だ。  1941年12月7日、ハワイの真珠湾攻撃の際、カネオヘ海軍航空基地(現在、海兵隊ハワイ基地)を攻撃したゼロ戦部隊の指揮官であった飯田房太海軍大尉(戦死により中佐)は、自らの零戦が米軍の反撃で被弾したため、生還するのは困難と判断し、米軍格納庫に向かって突入を図ったのだ。言わば、特攻攻撃の第一号とも呼ぶべきものだ。
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現在に至るまで敬意を表しているアメリカ海兵隊
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(えざき・みちお)1962年、東京都生まれ。九州大学文学部哲学科卒業後、石原慎太郎衆議院議員の政策担当秘書など、複数の国会議員政策スタッフを務め、安全保障やインテリジェンス、近現代史研究に従事。主な著書に『知りたくないではすまされない』(KADOKAWA)、『コミンテルンの謀略と日本の敗戦』『日本占領と「敗戦革命」の危機』『朝鮮戦争と日本・台湾「侵略」工作』『緒方竹虎と日本のインテリジェンス』(いずれもPHP新書)、『日本外務省はソ連の対米工作を知っていた』『インテリジェンスで読み解く 米中と経済安保』(いずれも扶桑社)ほか多数。公式サイト、ツイッター@ezakimichio

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