世間を騒がせる“主婦”こだまの私小説『夫のちんぽが入らない』は、一体どんな本なのか? 中身エピソードを公開
発売後たちまち10万部を突破した、いま話題沸騰中の私小説『夫のちんぽが入らない』。主婦こだまが、ある男性と交際してからの「入らない」20年間を振り返り綴った“愛と堕落”の実話である。
⇒【画像】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1303602
タイトルがタイトルなだけに、電鉄会社の審査では「公共の場への掲出には相応しくない」との理由で広告掲載を断られ、新聞社の審査でも揉めに揉めた結果、異例の「タイトルなし広告」が掲載されたりと話題を呼んだ。
また内容についても、Amazonレビューが一目瞭然だが、「共感した。笑いながら泣いた」との賞賛の声が多く寄せられる一方で、「理解できない。不快だカネ返せ」という批判も少なくなく、賛否両論わかれている。
一体どんな本なのか……? 今回は『夫のちんぽが入らない』本編の中から人気エピソードを無料公開。その目で確かめてみてはいかがだろうか。
===============
二十四歳、教員三年目の春を迎えた。
翌日の授業や学校行事の準備で帰宅が遅くなったり、バスケットボール部の指導で土日に家を空けたりしても、同業者として「当然のこと」と理解してもらえるのはありがたかった。同僚の中には「勤務時間外なので部活は持ちません」と、きっぱり拒む人もいる。悪いことではないと思う。でも、私たちはそれらの活動もひっくるめて教師の仕事だと思っていた。夫はサッカー部の顧問をしている。練習試合の様子を撮影したビデオを観て「守りが甘いんだよ」などと言いながら夕飯を食べる。お互いの学校や生徒の話だけであっという間に何時間も経つ。とりたてて趣味と呼べるものがない私たちにとって、仕事が共通の話題で、暮らしのすべてであったが、それは全然不幸なことではなかった。
細かいことに干渉してこない夫の性分にも救われていた。
部屋の掃除がおろそかになり、食卓に出来合いのからあげやポテトサラダが並んでも、夫が不満を述べることは一度もなかった。家事に口を出さないが手も出さないというスタイルは徹底していた。もちろん夫が家事をやったっていい。女がやるべきだとは思っていない。でも、私よりも仕事の量が多く、手先の不器用な彼に炊事や掃除を任せるのは、かなり効率が悪い。何事も、できるほうがやればいい。そう思っていた。
「お互い忙しいんだからスーパーの惣菜でも外食でも何でもいいよ。いちばん楽な方法でいい」と夫は言う。きちんと役目を果たせないことを気に病み、落ち込んでしまいがちな私には、ありがたい言葉だった。私のこういうところは母によく似ている。母は仕事も家事も子育ても全部ひとりで完璧にやろうとして心が壊れてしまったのだ。私はとても恵まれていると思った。


私は夫の望むことをすべて経験させてやりたい
1
2
|
『夫のちんぽが入らない』 “夫のちんぽが入らない”衝撃の実話――彼女の生きてきたその道が物語になる。 ![]() |
※もっと読みたい方は「夫のちんぽが入らない」特設サイトに試し読みコーナーも!⇒http://www.fusosha.co.jp/special/kodama/
【関連キーワードから記事を探す】
ここから先は、運命です【荻窪駅 ・邪宗門(喫茶店)】/カツセマサヒコ
立ち飲みおでん屋の恋【王子駅 ・平澤かまぼこ】/カツセマサヒコ
笑い声は、デバババ【中野駅・酒道場】/カツセマサヒコ
窪塚洋介を目指した先で【池袋駅・友誼食府】/カツセマサヒコ
冒険はしずかに始まる【押上駅 ・ 東京スカイツリー】/カツセマサヒコ
作家こだま、鬱をきっかけに性格変わる「むしろポジティブになった」
『死にたい夜にかぎって』来年初春、連続テレビドラマ化決定! BiSH アイナ・ジ・エンドによる、解説文付き文庫本発売も
漫画家ゴトウユキコ「性描写は恥ずかしいけど描かないとだめになる」
『夫のちんぽが入らない』著者こだま、匿名の罪悪感から近所の猫を肥えさせる
爪切男×こだま「互いの人生が入れ替わっても大丈夫」 同人サークル出身の作家二人はこれからも書き続ける
あったはずない「昭和」にハマる人続出!呂布カルマ、宇多丸も絶賛「架空昭和史」ってなんだ
「嫌な思い出も笑えるように描けば救われる」訪問販売の経験を漫画にした理由
ホラーがヒットしないのは「経済的にしんどいし現実が苦しい」のが原因!?<劇画狼×崇山祟対談>
真のニート漫画…/新・アラだらけ君〈第8話〉
最強家族と出会った「葛飾区お花茶屋」の夜/清野とおる×パリッコ
年収1000万円アナ・奥井奈々「仕事はXのポストを読むだけ」から、腐らずに周囲の信頼を勝ち得た秘訣
令和の虎・林社長「武田塾」の経営ノウハウを活かし、2年で6億円を稼いだ秘密とは?
スマスロ新台「賞金首Angel」がアツい!継続率約80%「ゴールドバトル」が爆発のトリガーに
平凡なサラリーマンが「10か月で月収850万円」に。水島翔式FXトレード術とは
月収50万円のサラリーマンが“月2000万円稼ぐ”までにやった「たった2つのこと」
副業3600万円のブロガー、マジメに確定申告したら税金がヤバいことに…
漫画家ゴトウユキコ「性描写は恥ずかしいけど描かないとだめになる」
新卒の会社をすぐ辞めてブロガーに…年間300万円のスポンサーがつくようになるまで
3年間で500記事を書き散らしたブロガー“勝手につくば大使”の苦悩――「やめちまえ!」と言われてもつくばが好きだから…
女への憧れと憎しみを抱いて生きてた。それでも出会った女はみな天使だった<話題の派遣社員・爪切男インタビュー>
65歳で貯金ゼロ…作家・中村うさぎが直面する老後の不安「生きるためには働くしかない」
“うつ状態の引きこもり生活”を経て…65歳の作家・中村うさぎが再び美容整形に挑むワケ
古市憲寿が描き出す“今”の物語「価値観が相容れない人間が、どう繫がれるのかを考えてみたかった」
コロナ禍だからこそ読みたくなる! 『もはや僕は人間じゃない』に込めた破壊と癒し
芥川賞候補作を生んだ尾崎世界観が独白「逃げるように小説を書き始めた」