まともな社会人は遅刻をしない――佐藤優が考える「大人の定義」
【佐藤優のインテリジェンス人生相談】
“外務省のラスプーチン”と呼ばれた諜報のプロが、その経験をもとに、読者の悩みに答える!
◆「大人の定義」を教えてください!
あきらっきょ(ペンネーム) 会社員 男性 29歳
最近、職場も私生活も子供のような大人で溢れかえっています。中途半端に仕事を投げ出し人任せにする者、「わからない」で済ます者、まさに「小学生にでもわかる内容」まで噛み砕いて説明しなければならない者……プロフェッショナルのかけらもありません。
また、道を譲り合わない者、子供のまま大きくなった礼節態度のない者……親の顔を見て見たいものです。そこで、ふと思ったのですが、佐藤さんの「大人の定義」を教えていただきたく相談致しました。ぜひ、お聞かせください。
◆佐藤優の回答
あなたが指摘するように、職場で大人としての自覚を持たない人が増えているように思えます。こういう人には共通した特徴があります。時間にルーズなことです。私は’15年から母校の同志社大学神学部で特別講義を行っています。そこで教える重要なテーマの1つが、どうやってまともな社会人になるかです。講義では「遅刻をしないように」と強調し、こんなことを述べています。
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佐藤:今回が最終回なので、受講態度についてもひと言申します。この先、社会人になってから強く注意してほしいと同時に、外国に留学するなら絶対にしてはいけないことがある。それは遅刻です。外国の大学では厳禁で、教室の鍵を締める大学も多いです。
それから社会人の遅刻は、決定的に信用をなくします。二、三回遅刻するだけで、常にそういう人だと思われてしまう。特に営業職なんかで、こちらからお願いしている面会に遅れでもしたら大変です。
では、もし遅刻しそうになったら、どうする?
学生:相手に連絡をする。
佐藤:事前に電話をする。必ず正直に「遅れます」と。そのときに、地下鉄が止まっているとか言い訳めいた理由を付けないことも大事です。そんな交通情報はすぐ確認できてしまうし、嘘をついたら、今度は相手に嘘つきだと思われてしまう。
別に理由は言わなくても、「遅刻します。何分、遅れます」ということを、約束時間の二、三分ぐらい前までには連絡すること。何か別の用事が入って遅刻するのが数時間前にわかったのなら、その時点ですぐに電話をして、アポイントの時間を遅らせてもらうこと。遅刻しても理由も何も言わないとか、嘘をつくというのは最悪です。(『悪魔の勉強術――年収一千万稼ぐ大人になるために』250~251頁)
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’60年生まれ。’85年に同志社大学大学院神学研究科を修了し、外務省入省。在英、在ロ大使館に勤務後、本省国際情報局分析第一課で主任分析官として活躍。’02年に背任容疑で逮捕。『国家の罠』『「ズルさ」のすすめ』『人生の極意』など著書多数
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