キャリア構築に失敗した45歳・男の経歴…雑用スタッフのまま勤続15年、年収は380万円
40代ともなれば給料も上がり、若い頃よりも楽できると思っていたのに。そう嘆く声は多い。昨今、低所得にあえぐ40代が急増中だ。その理由は出世できない、転職回数が多いなどさまざま。中年でも稼げない時代が来ている――
…山本辰夫さん(45歳・既婚)/飲食店/年収380万円
山本辰夫さん(仮名・45歳・既婚)は現在までに3回転職をした。現在の会社では一度昇進し、月5万円給与がアップしたものの、その後業績悪化でボーナスはカットされ、昇格前の低所得のままだ。
「今の会社は外食産業で、僕は飲食店経営本部の総務管理部で社内SEをしています。昇格しやすいのは、もっぱら表側に立つ人間で、ソムリエや調理長など資格を取ればその分評価されます。かたやSEの僕はいつ何を聞かれてもソリューションを提案できるように技術は磨いていますが、いかんせん会社にはITに詳しい人がいません。いくらスキルを磨いたところで、評価されないんです」
山本さんは、休日に自腹で格安SIMを買って古いスマホに入れてデータ通信ができるかどうかの実験に勤しむ。成功したら、「スマホを新調しなくても古いスマホでデータ通信ができます」と経費削減の方法を提案できるからだ。
「こうしたIT機器に年間十数万円投じてきましたが、これが会社にとって利益になっても、『できて当然』と言われるだけ。今のポジションがキープできているだけでもマシですかね。現状維持に必死で、資格すら持っていません」
現在の会社は勤続年数15年。ここに至るまで、建築事務員、夜勤汎用機オペレーター、雑用庶務など、一貫性のない職歴だが、聞けばどの会社も先行きが怪しくなり逃げる形で転職してきたという。
「いつも辞めてから次を探すため、一日も早く決めようと焦っていました。『今の自分にできる仕事』にありつくのが精いっぱいで……」
いざ入社すると、どこも業績が苦しく、再び転職を繰り返す。「タイトな転職活動で、業績まで調べる余裕がなかった」のが敗因か。
― 低所得時代の実態 ―
一貫性のない職歴でキャリア構築もままならず、雑用スタッフのまま現在に
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