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男性ファンが望んだ結果、AV女優は“量産型美人”になってしまう【カリスマ男の娘・大島薫】

 見た目は美女でも心は男――。「カリスマ男の娘」として人気を博し、過去には男性なのに女優としてAVデビューを果たした大島薫。女性の格好をしたまま暮らす“彼”だからこそ覗ける、世の中のヘンテコな部分とは?

男性ファンが望んだ結果、AV女優は“量産型美人”になってしまう【カリスマ男の娘・大島薫】

大島薫とミシェルさん

 今回は男性の夢をブチ壊そうと思う。

 最近、ボクの男の娘の彼女が髪色を変えた。AV業界にいたころはイメージもあったため、なかなかブリーチをしたりできなかったそうだ。そういえば、ボクがAV業界にいたころもそんなことを意識させられていたなと、ふと思い出した。

 AVでよくある本編前のインタビューを撮影する際、監督からこんなことを言われた。

「大島さん、俺が『男性と女性どっちが好きですか?』って聞くんで、『両方好きだけど、どちらかというと男性が好きです』って答えてもらえますか?」

 この監督には女性も男性も半々くらいで恋愛対象・性対象に入ると伝えていたのだが、AVを購入する大多数が男性ユーザーのため、そう答えて欲しいとの希望だった。

 AVを辞めた後、やっとそんなことを気にせず、自分についてこのようにコラムやSNS上で発信することができるようになったが、別にAVをやっていたときについていたことが嘘だったとは思っていない。

 しいて言うなら、AVのインタビューやプライベートシーンのようなものも含めて演技だ。なぜなら、AV女優たちはあくまで「女優」だから。

AV女優はもっとも「男受け」を意識する職業


 ところで、真に男受けのする女性ってどんな人だろう? アイドル? 女子アナ? 女優? さて、幻想という意味では、ボクはAV女優ほどそれを叩きこまれる職業はないなと感じる。

 関心のある方は、いますぐスマホやPCでAVの通販サイトを開いて見てほしい(あ、もちろん18歳以上の方で)。美しい女性たちが、惜しげもなくその裸体を晒すいわゆるパッケージ写真を見て、何かに気づかないだろうか? 特にロングヘアーの女性に注目してみてほしい。

 髪の長さが大体同じくらいで切り揃えられていないだろうか? それは乳首を隠さない程度の長さなのだ。別にこれはAVメーカーやプロダクションに髪型を指示されてみんな一様にこの長さになったわけではない(たまにそういう場合もあるが)。現場や監督から乳首が髪の毛で隠れていると指摘されるうちに、だんだんとこのように皆同じ長さになっていく。

 そのほか、例えば服装だってわりと自由ではない。アダルトショップのイベントで、女優が着る服は似たり寄ったりだ。スカート着用が基本であったり、ワンピースが多く、パンツスタイルで出演する女優はめったに見ない。

 一度、なんかのトーク番組で共演したAV女優が、かなりボーイッシュな私服で現場にやって来たことがあったが、もう1着私服を用意していて、本番前に自らフリフリのワンピースに着替えていた。ああ、本来ならボーイッシュな格好をしたいのだろうけど、このコも現場をこなす内に男受けのする服を察知するようになったのだなと思ったものだ。

 ではそもそも、もともと男性であって女性も好きなボクなんかは、最初から男受けのする服装を知っていたのかというと、そうでもない。ボクはボーイッシュでかっこいい女性も好きだ。先の女優も普段の私服のほうがいいなと思ったくらい。そして、わりとそういう女性がタイプだという男性は多いと思うのだが、ことAV業界では求められていない。なぜだろう?

 それはAVを観る男性が求めているのは「男性が抱く幻想の女性像」だからではないかと思う。

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AV女優たちは画面の向こうのファンが望むものを知っている

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