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男性ファンが望んだ結果、AV女優は“量産型美人”になってしまう【カリスマ男の娘・大島薫】

AV女優たちは画面の向こうのファンが望むものを知っている

 こういった幻想の女性像の例はいくつもある。ちなみに、これは意外かもしれないが、AV女優がメーカーや事務所から食事制限をしろといわれることはほとんどない(度が過ぎる人は別だが……)。むしろモデルのように痩せたタイプは撮ってくれるメーカーがあまりないからだ。よく男性が「少し肉がついたくらいがちょうどいい」なんて言う、アレに合わせている感じに近い。  また、撮影中のご法度でいえば、「エロくないことは言わない」なんてのもそうかもしれない。どれだけ感じてなかろうと、セックスが苦手だろうと、レイプ物以外で「痛い」なんてセリフは言えないし、女優はセックスが大好きでないといけない。だって、画面の向こうのAVファンたちは、それを望んでいることを彼女たちはよく知っているから。  AVの中では、女教師はだいたいド変態でなければいけないし、痴漢に遭った女性は最後は自ら男性を求めなければいけないし、壁から出てきた男性器には興味深々でなければいけない。そんな男性の幻想を彼女らは、AVの現場でないところでも演じ続けているのだ。  最近、AV業界のプロっぽい雰囲気を毛嫌いして、世の男性たちの間では素人の投稿動画のほうが人気なのだという(それも実は女優を使ってメーカーが個人のフリをして作ってたりもするが)。しかし、そんな“量産型AV女優”が生まれる背景には、世の男性たちがそれを求めてきた歴史が存在する。  女性が思う女性像、男性が求める女性像、男性が求める幻想の女性像。ボクら男性が本当に女性に求めるものと、押し付けることのできない理想は少し開きがあるのかもしれない。もう一度ボクらが好きな女のコについて、よくよく考えてみよう。 【大島薫】 作家。文筆家。ゲイビデオモデルを経て、一般アダルトビデオ作品にも出演。2016年に引退した後には執筆活動のほか、映画、テレビ、ネットメディアに多数出演する。著書に『大島薫先生が教えるセックスよりも気持ちイイこと』(マイウェイ出版)。大島薫オフィシャルブログ(http://www.diamondblog.jp/official/kaoru_oshima/)。ツイッターアカウントは@Oshima_Kaoru
1989年6月7日生まれ。男性でありながらAV女優として、大手AVメーカーKMPにて初の専属女優契約を結ぶ2015年にAV女優を引退し、現在は作家活動を行っている。ツイッター@OshimaKaoru
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