ビジネスクラスのアメニティはネットで高値転売できる!? ――ビジネスクラスで世界一周の旅
昔ほどのスペシャル感はなくなったとはいえ、今も大勢の人にとっては一生無縁であろう世界一周。2010年の秋、週刊SPA!の企画でLCCを使って世界一周をしたことがある筆者(※日本~北米はLCC未就航だったので別の航空会社を利用)が、今度は「ビジネスクラスで優雅に世界一周」に挑戦。10万2830円と約2年で貯めた11万5000マイルをビジネスクラス世界一周航空券に変えいざ出発!
連日氷点下だった北欧から南下し、訪れたのはヨーロッパ最後の滞在地となるローマ。コロッセオやトレビの泉、バチカン市国のサン・ピエトロ大聖堂のような有名スポットだけでなく、街のいたるところに遺跡や伝統建造物が溢れており、ただの街歩きでも楽しい。
しかも、イタリア料理の本場だけに食事はどれも美味。値段は日本と大差ないが、直前まで物価メチャ高の北欧にいたせいか安く感じてしまい、滞在中はつい爆食いしてしまった。
そんなローマの休日を満喫した後は、いよいよ北米ニューヨークへ。
早朝、イタリアンカラーの車両が目を引く『レオナルド・エクスプレス』で郊外にあるフェウミチーノ空港に向かい、すぐにチェックインを済ましてラウンジへ移動。
利用した『スターアライアンスラウンジ』はそれほど広くはなかったがイタリアらしく洗練された内装で、北欧の各空港で利用したスカンジナビア航空のラウンジと甲乙つけがたい。
時間帯的に朝食メニューのみであったが、甘い蜜がかかったイタリア版クロワッサンのコルネットをはじめ、マフィンやスフレなどパン類は充実。品数は少なかったがベーコンや生ハム、スクランブルにマッシュルームのソテーなどのおかず類もちゃんと用意されており、しっかり食べたい人でも満足できそうだ。
しかも、バーカウンターでバリスタが淹れてくれるカプチーノが絶品。何杯もお替りしてしまい、搭乗直前までイタリアを満喫することができた。
ところが、次のチューリッヒ行きのスイスインターナショナルエアラインズ(以下、スイスエア)LX1727便はチューリッヒが大雪のために遅延。本来なら1時間45分のフライトなのだが機内のシートに座ったまま離陸まで2時間ほど待たされてしまった。
ただし、幸いにも座席はゆったり幅のビジネスクラス仕様。同じ時間、窮屈なエコノミーに座らされたらイライラしそうだが、そういったストレスも感じない。
ようやく離陸し、飛行機が水平飛行に入るとすぐに機内食がサーブ。チーズと生ハム、ヨーグルトなどの軽めのメニューだが、提供されるのはビジネスクラスの客のみ。
スカンジナビア航空のコペンハーゲン→ローマの機内食は、紙製のランチボックスだったがこちらはちゃんとした食器だ。スイスエアはレガシーキャリアのなかでも高級志向の強い航空会社だといわれており、チケットもそれほど安くはない。座席にしてもそうだが短距離路線でこれだけの水準のサービスが受けられるので、特典航空券なら余計に得した気分だ。
本当はチューリッヒで次のニューヨーク行きの便まで時間があったため、乗り継ぎ時間を利用して市内観光をしようと思っていたが、到着遅延により断念。仕方なくラウンジで過ごすことに。
今回は主にEU圏内の便が発着するドッグA、長距離便が多いドッグEにそれぞれある『SWISS ビジネスラウンジ』を利用。いずれも高級感が漂い、長時間くつろげる雰囲気になっていた。
この日はカツレツを乗せたシーザーサラダを目の前でシェフが1皿ずつ作ってくれ、自分で取り分けたトマトソースのペンネにも大満足。物価の高いスイスならこれに飲み物を加えれば、レストランだと3000円以上は確実に取られるだろう。おまけにアルコールなども当然無料なので、物価の高い国ほどラウンジを使ったほうがお得だ。
また、ラウンジには横になって寝られる仮眠スペースがあり、乗り継ぎが長時間の乗客にはありがたい。パーテーションで各ブース区切られており、最低限のプライバシーも守られている。この日は早朝からの移動だったため、そのまま搭乗の時間まで寝入ってしまった。
ラウンジでのカプチーノは、バリスタが1杯ずつ淹れてくれる!
チューリッヒ到着が大幅に遅れ、乗り継ぎ時間を利用した市内観光を断念!
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フリーライター。鉄道や飛行機をはじめ、旅モノ全般に広く精通。3度の世界一周経験を持ち、これまで訪問した国は50か国以上。現在は東京と北海道で二拠点生活を送る。
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