JKビジネス規制条例のその後――いま明かされる「マジでJKいるかも」と思わせる巧妙な手口
筆者と会話している間にも、隣の女性従業員や客と大声で会話をし、手元のグラスにはビールのような色をした飲み物が入っている。ビールをジンジャーエールで割った「シャンディガフ」のようだ。年齢などの話になると、きまって話をはぐらかそうとしているようにも見える。改めて年齢について聞くと、怪訝な表情を浮かべた。
「何? お兄さんロリコン? 超ウケるんだけどー!」
会計を済ませると、店が入居するビルのエレベーター前で、X店の利用者である男性に声をかけた。男性は一瞬驚いたような様子だったが、酔った勢いも手伝って、X店が本当はどういう店なのか教えてくれた。
「確かに、以前はJKのお店でしたね。ただ、本当はみんなJKではなく、女子大生とかフリーターばかり。客に『もしかしたらJKかも?』と思わせるのが、彼女たちのうまいところですよね。なかには、本当にJKだと勘違いしたロリコン客から定期的に小遣いをもらっている、ほとんど援助交際みたいな女のコもいます。私はその辺も含めて全部知っていますが、なによりも店が楽しいから行くんです」
男性によれば、このロリコン向けの情報合戦が、ネット上で行われているという。ネット掲示板には、秋葉原や池袋などのJK店の名前がついたスレッドが並び「×××はガチのJK」「×××はフリーターで20才、詐欺!」などといった書き込みも散見される。ただし、これも業者やライバル店舗同士による、情報合戦の一環だという。
池袋でかつてJK店を経営していた男性がこう話す。
「これはほとんど、店の関係者や従業員が書き込んだウソ。『マジでJKいるかも?』って思わせることで、客が来ていた時期もありました。秋葉原はJK規制に厳しいので、池袋や大宮、横浜などに闇のJK店が出来ているという話も聞きます。騙されないためにはどうすればいいか、ですか? 行かないことじゃないですか(笑)」
JKビジネスを取り巻く環境がいかにデタラメだったのかわかると同時に、そんな連中に騙されて鼻の下を伸ばしていたロリコン男性諸君の存在も、さらに哀れだ……。
<取材・文/森原ドンタコス>
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