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防衛費「先進国並みGDP比2%10兆円」でも足りないくらい【評論家・江崎道朗】

江崎道朗のネットブリーフィング 第20回】
トランプ大統領の誕生をいち早く予見していた気鋭の評論家が、日本を取り巻く世界情勢の「変動」を即座に見抜き世に問う!

安倍総理、麻生副総理、河野統合幕僚長の写真が意味すること



 北朝鮮の核開発と相次ぐミサイル発射という危機に直面するなか、安倍総理は8月29日、自らのFBに一枚の写真をアップした。自衛官のトップである河野克俊統合幕僚長が、安倍総理、麻生副総理に説明をしている写真だ。

 その写真にあわせて、安倍総理はこう記している。

《北朝鮮が、今朝、我が国上空を通過するミサイル発射を強行し、先ほど、国家安全保障会議(NSC)を開きました。政府は、発射直後からミサイルの動きを完全に把握し、国民の安全確保に万全の態勢をとってきたところですが、我が国を飛び越えるミサイル発射という暴挙は、これまでにない深刻、重大な脅威であります。

 国連安保理に対して、緊急会合の開催を要請します。国際社会と連携して、北朝鮮への更なる圧力の強化を、日本として、強く求めます。強固な日米同盟の下に、引き続き、いかなる事態にも対応できるよう、緊張感を持って、国民の安全確保に万全を期してまいります。》


 北朝鮮によるミサイル発射という危機に対応する際に、安倍総理は、自衛官のトップから話を聞いている写真を公開したのだ。恐らく安全保障の脅威に際して総理大臣が自衛隊のトップから話を聞く写真を公開したのは安倍政権が初めてではないだろうか。それぐらい歴史的な写真だ。

 というのも、信じられないかもしれないが、実はこれまで歴代政権は、防衛問題について自衛官から直接話を聞くことを避けてきた。自衛官が総理大臣と会うことは戦前の軍国主義の再来だ、といった頓珍漢な批判をマスコミがしていたためだ。

 そのため、これまで安全保障政策について議論する際も、防衛省の官僚(自衛官ではない、背広組と呼ばれる人たち)から話を聞くだけで、実際に防衛に携わっている自衛官から話を聞くことはあまりなかった。そのため、議論はどうしても抽象的観念的になってしまい、具体的な防衛体制の整備はなかなか進んでこなかった。

内外の情勢に対応できる安全保障体制へと立て直した安倍政権


 こうした現場を担当する自衛官を軽視する風潮を是正しようとしたのが、安倍政権であった。

 現在、安倍政権はアメリカのトランプ政権と連携して北朝鮮の核とミサイルに対して懸命に対応しているが、それができているのは、安倍総理の個人的な力量によるものだけではない。実は第二次安倍政権になって、安全保障に関するわが国の政治決定システムそのものを大きく改善している。

 第二次安倍政権発足の翌年、平成25年6月4日に自民党は「防衛を取り戻す―新『防衛計画の大綱』策定に係る提言」を公表し、60年も前に決定された「国防の基本方針」の見直しを打ち出した。

 驚くべきことにわが国は、昭和32年に定めた「国防の基本方針」を60年も変えてこなかった。しかも、省庁横断で国家戦略を議論する機関が、わが国には存在していなかったのだ。

 そこで安倍自民党は、60年前の国防方針の見直しを提案すると共に、その議論を防衛省だけでなく、各省庁の大臣が参加する「国家安全保障会議」(日本版 NSC)でも進める方向性を打ち出した。

「国際情勢とは無関係に、前年踏襲で安全保障政策を決める」従来の体制から、「官邸主導で内外の情勢を分析し、外交・防衛・経済などを総合的に踏まえた安全保障戦略を定め、国際情勢に迅速に対応して防衛政策を決定する」体制へと、国家意思決定の仕組みを劇的に改革したのだ。そのうえで、この国家安全保障会議に自衛官のトップ、つまり統合幕僚長らを参加させることができるようにしたのだ。

 あまり語られていないが、この改革は、安倍政権の大きな成果の一つだ。

 財務省発行『ファイナンス』平成27年4月号で中村稔主計局主計官もこう書いている。

《政権交代後、政府は、外交・安全保障の司令塔となる「国家安全保障会議(以下「NSC」という。)」を設置し、外交・安全保障に関する諸課題につき、総理のリーダーシップの下で、戦略的観点から日常的、機動的に議論し、迅速に対応できる環境を整え(中略)我が国で初めて、国家安全保障に関する基本方針として、外交政策及び防衛政策を中心とした「国家安全保障戦略(NSS)」が策定された。》

 このような官邸主導によって、自衛隊は《「周辺海空域における安全確保」、「島嶼しょ部に対する攻撃への対応」、「弾道ミサイル攻撃への対応」、「宇宙空間及びサイバー空間における対応」及び「大規模災害等への対応」を重視する》(前同)ことになった。

 問題は、この国家安全保障会議を支える対外情報機関がまだ設置されていないことと、新たな防衛政策を実施するための予算措置が不足していることだ。 
 
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中国の防衛費は日本の10倍か

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