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ホームレスの生活に密着…お金がなくても生きる術とは?

ホームレスにとってお金は必ずしも重要ではない!?

 例えば自宅の水道が詰まってしまったとき、私たちはどのような対応を取るだろうか。まずは自分で直せないか試した後に、業者に連絡するだろう。お金を払って問題を解決する。近所を探せば1人くらい修理できる人はいるかもしれないが、そんなことはしない。もしいきなり、「水道直せませんか?」と人が訪ねてきたら筆者も迷惑に思う。「クラシアンに電話すればいいじゃねえか」と怪訝な顔をするだろう。私たちは何かをするにはお金が必要だと思い込んでいる。 ホームレスの生活
ホームレスの生活

ダンボールハウスを移動するホームレス

 しかし、ホームレスはお金がなくても生活できることを知っている。炊き出しに行けば美味い飯にありつくことができるし、スーパーに行けばいくらでもダンボールがもらえて暖かい家を作ることができる。ふれあい通りでは雨風もしのぐことができる。
ホームレスの生活

ダンボールハウスが一時移動されたふれあい通り

 ホームレスの青木さんはアルバイトで月に4万~5万円の収入がある。そのお金を何に使うかというと、主に酒とタバコ。炊き出しのタダ飯と一緒に酒を飲み、食後に一服する。彼にとってお金とは、生きるために必ずしも重要なものではないのである。  そのため、当然ながらホームレス同士の助け合いに金銭は発生しない。彼らの近所付き合いには損得の概念が存在しないのである。彼らの世界では相手に与える善意は減るものではないので、受け取る側も気兼ねなく受け取ることができるのだ。  もちろん働く人々がいるからこそ、ホームレスはお金がなくても生活をすることができる。金銭なしの助け合いだけですべての人が生活できるなんてことは不可能だ。しかし、近所付き合いなど個人の生活レベルで見てみると、ホームレスの生き方から学べる部分は大いにありそうだ。<取材・文・撮影/國友公司>
元週刊誌記者、現在フリーライター。日々街を徘徊しながら取材をしている。著書に『ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活』(彩図社)。Twitter:@onkunion
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