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“ジャパニーズ・メタル”と“ジャパメタ”は別モノ!このジャパメタ臭に悶絶しろ!! ジャパメタ名盤5選

X『BLUE BLOOD』(1989年)

X『BLUE BLOOD』(1989年)

 本連載でも何度か取り上げたが、説明不要の日本を代表するモンスター・バンド。IRONMAIDEN~HELLOWEENの支流下にある正統派ヘヴィメタルの音楽性と、歌謡曲、ハードコア、クラシック、民族音楽などの雑多な音楽性が混ざっている。かつてはネガティヴな意味合いで“スピード歌謡”と評していた権威ある某ヘヴィメタル雑誌も、早々に手のひらを返して一応はこのアルバムを評価している。 SHOW-YA『Outerlimits』(1989年)

SHOW-YA『Outerlimits』(1989年)

 「限界LOVERS」と「私は嵐」を収録し、商業的な成功を収めたアルバム。楽曲単位では、前作収録の「I gotta your love」や、3rdアルバム収録の「Fairy」など名曲は多々あるが、アルバム単位では、本作『Outerlimits』が最強。もしこのアルバムが、国産ではなく洋楽だったならば、洋楽メタラーの間でも名盤扱いされていただろう。

“ジャパメタ”は、美しい白鳥だった!

 ここで紹介された5枚を、筆者は「ウンコ」ではなく、愛すべき「裏名盤」と考えている。日本のヘヴィメタルには、ウンコのレベルにも達していないと酷評されたゴミアルバムもたくさんある。だがジャパメタは、そういうたくさんのバンド、アルバムがあってこそ、おっさんたちの心の中で、今も燦然と光り輝いているのではないだろうか。  かつてアニメやマンガなども、「子どものものだ」とか「気持ち悪い」などのネガティヴな感情でもって蔑視されていた。しかし、海外で評価されるようになってから、偏見や差別から脱却した。  現在、海外で評価される国産メタル・バンドおよびグループが続々と登場しているが、それらはかつて、洋楽メタラーから偏見・蔑視の目に晒されてきた“歌謡メタル”“アニソンメタル”“V系”“アイドルメタル”など、“ジャパメタ”のサブジャンルである。正統派や洋楽志向ではない。  そのルーツである80年代の“ジャパメタ”が、いずれ再評価される時代が来るだろう。“ジャパメタ”は、美しい白鳥だったのである!
(やまの・しゃりん)漫画家・ジャパメタ評論家。1971年生まれ。『マンガ嫌韓流』(晋遊舎)シリーズが累計100万部突破。ヘビメタマニアとしても有名。最新刊は『ジャパメタの逆襲』(扶桑社新書)
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5月1日発売の拙著『ジャパメタの逆襲』では、他にも5枚追加し名盤10選を紹介しているので、気になる方はそちらでぜひ、チェックしていただきたい。

ジャパメタの逆襲

LOUDNESS、X JAPAN、BABYMETAL、アニメソング……今や世界が熱狂するジャパニーズメタル! !  だが、実はジャパニーズメタルは、長らく洋楽よりも「劣る」ものと見られていた。 本書は、メディアでは語られてこなかった暗黒の時代を振り返る、初のジャパメタ文化論である。★ジャパメタのレジェンド=影山ヒロノブ氏(アニソンシンガー)の特別インタビューを掲載!

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