仕事

入社1週間で「ゆっくりしたい」と退職…モンスター新入社員に振り回される上司たち

部署異動をすすめたら「パワハラだ」と…

 海外にもモンスター新入社員はいるようで、某財閥系企業に務めるTさん(42歳)によれば、「自分の権利を都合良く解釈している連中が多い」とのこと。  Tさんの任地はアジア某国。現地登用の社員を監督する立場なわけだが、昨年入社の女性社員が曲者だった。 「コミュニケーション能力が低くて、誰ともあまり喋らない子でした」  ただ、日本語が堪能なため、直属の日本人上司が親身になって相談に乗っていたそう。 「それでも、何をしたいのか、目標があるのかなど、彼女に良かれと思ってコンタクトとっても要領を得ず」  業務に差し支えるレベルになる前にと、上役としてアドバイスしたのが異動することだ。 「色々と話し合ったうえで、人とあまり絡む必要がない、プレッシャーの少ない部署に異動しないかと提案しました」  ところが、この善意が思わぬ惨事を生む。 「翌日、社員全員宛てに彼女から爆弾メール。会社の規定違反だとか、パワハラを受けただとか。面談して言い分を聞いたのですが、まったく噛み合わないんです」  結果、退社すると言い出し……。「正直、ホッとしましたよ。だけど、それで終わるわけではなく」。彼女の理不尽な怒りは止まらない。日本でいう労働基準監督署に訴えたのだ。 「こちらも弁護士をつけて争いました。最終的には和解金10万円を払ってさようなら」  パワハラ扱いされた上司のショックはかなり大きく、「今後、同じようなケースに遭遇しても、どうケアすれば良いのかわからない」と、完全にトラウマになってしまったようだ。  “ゆとり”だの”さとり”だのと揶揄される「最近の若者たち」。確かにおじさん世代からは多くが変人に見えるかも知れないが、極端なキャラクターはごく一部のはず。凝り固まった老害にならないよう、ジェネレーションギャップを受け入れ、逆に自分たちと価値観が共有できるよう、のんびり教育してやろうという心持ちでいたいものだ。<取材・文/金井幸男>
編集プロダクション勤務を経て、2002年にフリーランスとして独立。GETON!(学習研究社)、ストリートJACK(KK ベストセラーズ)、スマート(宝島社)、411、GOOUT、THE DAY(すべて三栄書房)など、ファッション誌を中心に活動する。また、紙媒体だけでなくOCEANSウェブやDiyer(s)をはじめとするWEBマガジンも担当。その他、ペットや美容、グルメ、スポーツ、カルチャーといった多ジャンルに携わり、メディア問わず寄稿している。
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