JAM Projectメンバー“アニソン界の若獅子”遠藤正明氏も、ROCK CITYに出演していた。遠藤氏へのインタビュー（2015年11月27日付）によれば、このライヴハウスでスラッシュメタル・バンド＝UNITEDのリーダーだった故・横山明裕氏＜b＞（2014年5月13日に急逝、享年49）と一緒に働いており、「その当時いつも店に遊びに来たのがX JAPANのhide君」とのこと。 　横山氏は、hideと幼馴染のミュージシャンだった。またUNITEDのギタリスト＝吉田“Hally”良文氏は、hide加入以前のXに在籍していた経歴もある。インディーズ時代のX（X JAPAN）は、UNITEDと浅からぬ関係があった。 　また、横山氏が、高校時代にバンドを組んでいたミュージシャンに、瀧田イサム氏がいる。現在は、BABYMETAL神バンドのベーシストだ。瀧田氏はかつて、声優の谷山紀章率いるGRANRODEOのサポートや、様式美メタル・バンド＝Ark Stormに在籍していた経歴もある。そして氏も、hideの幼馴染だそうだ。瀧田氏のブログ（2011年5月3日付）によれば、氏はhideと「幼稚園時代に何回か遊んでいるらしい」とのこと。 　ところで横山氏は、生前、アイドル・ガールズロックユニット＝PASSPO☆のサポートバンド＝The ground Crewのベースを務めていた。The Ground Crewは、メロスピ・スラッシュ系のミュージシャンで構成され、ここにもアイドルとジャパメタの縁が見られる。 　筆者は冒頭で、hideから「クールジャパン」的な匂いを感じると書いた。そして、生前にhideと横須賀で縁のあったミュージシャンは、アニソンおよびアイドルとジャパメタが融合した音楽をやっている。これこそが、音楽面におけるクールジャパンのあるべき姿ではないだろうか。 　仮にhideが存命していれば、hideの2人の幼馴染のように、アイドル・ガールズロックに関わり、彼ならプロデュースを手がけて、とてつもなく異様で面白いグループを送り出していたかもしれない……。 　何はともあれ、生前、誰よりも先を見越していたhideの偉大さに想いを馳せながら、哀悼の意を表したい。（やまの・しゃりん）漫画家・ジャパメタ評論家。1971年生まれ。『マンガ嫌韓流』（晋遊舎）シリーズが累計100万部突破。ヘビメタマニアとしても有名。最新刊は『ジャパメタの逆襲』（扶桑社新書）