更新日:2020年08月24日 18:37
エンタメ

なぜイタリアのメタルバンドはアニソンをカヴァーするのか? 伝説のバンドSKYLARKのフロントマンが語る

日本のアニソンをカヴァーするイタリア産メタルたち

 日本はオタク発祥の国であり、世界中に日本産アニメを輸出している。イタリアでは、1978年から放送開始された。最初に放送された『UFOロボ グレンダイザー』(英題『Goldrake』)は、永井豪原作のアニメである。永井豪原作のTVアニメは、ほかに、『マジンガーZ』『グレートマジンガー』『鋼鉄ジーグ』『デビルマン』など数多い。少女向けには、『キャンディ❤キャンディ』やバレーボールを題材としたスポーツアニメ『アタッカーYOU!』などが人気があったようだ。つまり多くのイタリア人が、日本産TVアニメの洗礼を受けているのである。なかでも70~80年代に生まれたイタリア人男性は、永井豪原作のTVアニメを観て育った世代だ。

イタリアでもっとも人気があったTVアニメ『鋼鉄ジーグ』のDVD(東映)

 そのような経緯からか、多くのイタリア産メタル・バンドが、日本のアニソンのカヴァーを行なっている。DGM、Disarmonia Mundi、HIGH ROAD、Holy Knights……。  そのなかで、もっともアニソンのカヴァーをやっているヘヴィメタル・バンドが、先述のオリジネイター3バンドのうちのひとつ、SKYLARKだ。彼らは90年代後半期に日本デビューし、インターネット黎明期の00年代には、2ちゃんねるのハードロック/ヘヴィメタル(HR/HM)板で、「スカイラーク全部」という流行語が巻き起こった。これは、彼らが2ちゃんねるメタラーから強烈な支持を受けていたことを証明するものである。

SKYLARKの出世アルバム『GATE OF HELL』(1999年)

 さて、SKYLARKの中心人物= エッディ・アントニーニ<key>は、現在、大阪に滞在している。彼は相当な親日家で、日本のアニメが好きで、日本語も割と話せるとのこと。取材を申し込んだところ、 エッディから快諾の返事が来た。早速、大阪・心斎橋の「80’sロックバー“FREAK”」へ向かった。ところでエッディは、これまで各メディアで、「エディ」と表記されていたが、正確には「エッディ」とのこと。
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エッディがイタリアの日本アニメ事情を語る
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(やまの・しゃりん)漫画家・ジャパメタ評論家。1971年生まれ。『マンガ嫌韓流』(晋遊舎)シリーズが累計100万部突破。ヘビメタマニアとしても有名。最新刊は『ジャパメタの逆襲』(扶桑社新書)

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ジャパメタの逆襲

LOUDNESS、X JAPAN、BABYMETAL、アニメソング……今や世界が熱狂するジャパニーズメタル! !  長らくジャパニーズメタルは、洋楽よりも「劣る」ものと見られていた。 国内では無視され、メタル・カーストでも最下層に押し込められてきた。メディアでは語られてこなかった暗黒の時代から現在の世界的ブームまでを論じる、初のジャパメタ文化論。★ジャパメタのレジェンド=影山ヒロノブ氏(アニソンシンガー)の特別インタビューを掲載!

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