仕事で追い詰められても「パフォーマンスを最大限発揮できる」4つのルール
最悪がわかれば、それ以上、悪いことにはならないと思えるので、少しほっとしました。もし月末に店を閉めたとしても、キャバ嬢としてまた働けばいい。それなら、ひとまず「月末までできることは全部しよう」と考えました。
これまでは完璧を求めるあまり、「あれも足りない」「これも足りない」とあたふたしていた私ですが、ひとつずつ的確に「今できることをやろう」と思えるようになったのです。
そんなある日、キャストが私を含めて2人だけの日がありました。この人数ではお客様は2組が限界です。3組になるとキャストが足りないので、お客様は遠慮して帰ってしまいます。
それまでの私だったら「お客様にこんな思いをさせてしまったら、2度と来なくなっちゃう。どうしよう……」と動揺して、目の前のお客様の相手すら満足にできなくなるところでした。
しかし、最悪の事態を設定してからは「たしかに、お客様2組しか入れられないけど、女の子も少ないから人件費も少ない。赤字が少なくなるからラッキー」「ひとまず私は2組のお客様のうち、1組をきっちり相手しよう」という考えに変わっていきました。これは私自身にとっても驚くべき変化でした。
そして、仕事の時間以外はなるべく楽しいことを考えて、ヨガをしたり、好きなケーキや、アイスクリームを食べたり、好きな食事(ステーキや焼肉)を食べるようにしていました。なんとも能天気に聞こえますが、普段の仕事で100%の力を発揮するため、どれも必要なリフレッシュでした。
そうやって月末まで過ごすと、なんと、わずかに黒字で迎えることができました。私の運がよかったのかもしれませんし、火事場の底力が功を奏したのか、あるいはセルフマインドのコントロールがうまくいって仕事をきっちりこなせたのかもしれません。
ともかく、そこから少しずつ数字が上がっていき、今日まで店を続けていくことができました。これは私が身をもって学んだ、恐怖で身動きが取れなくなったときの対処法です。
1.一番最悪な事態を想定し、「意外とたいしたことじゃないからそうなっても大丈夫だ」と腹をくくる
2.最悪の日がくるまでに「いま自分ができること」をひとつずつ着実にこなしていく
3.仕事をしていないときは、仕事について絶対に考えないようにすること。
4.どうしても仕事のことを考えそうになったら、無理にでも自分が楽しいと思えることだけをして、笑って過ごす
これが大事です。みなさんも恐怖で身動きが取れなくなったときは、試してみてくださいね。<TEXT/内野彩華>新宿歌舞伎町キャバクラ「アップスグループ」オーナー。株式会社アップス代表取締役社長。津田塾大学卒業。25歳のとき、当時勤めていた外資系IT企業をやめて、歌舞伎町にキャバクラを開業。現在、歌舞伎町にキャバクラを4店舗、銀座にクラブを2店舗展開するまでに。キャバ嬢の育成やキャバクラの立ち上げ、経営改善のコンサルティングなども行い、グループ年商は10億円にもおよぶ。著書『劣等感を力に変える 成り上がる女の法則』が発売中
最悪の結末は意外と起こらない?
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