はっきり言う。安倍内閣は、おバカの見本市か?/倉山満
せめてそれくらいはしていて欲しいが、今回の一連の過程でわかったことは、「令和」は「政府の元号」ということだ。
和国、すなわち日本に命令するのは、日本政府だ。天皇陛下や皇太子殿下、皇室に命令する者が、日本政府だ。
では、この場合の日本政府とは誰か? 安倍晋三如き小物ではない。安倍内閣の面々に、この程度の教養を持ち合わせた大臣もおるまい。
かつて、室町幕府三代将軍の足利義満が、明の元号である「洪武」を推したことがある。当時の義満は誰も逆らえない超権力者だった。その義満が中華かぶれだったからタチが悪い。しかし、さすがに日本を中国の属国にするような元号である。日本が歴代中華帝国と異なる元号を使い続けてきたのは、独立国としての気概を示すためだ。さすがに、普段は気弱な公家も猛然と反発。義満の御用学者たちは完全論破され、「洪武」が採用されることはなかった。
現代、元号は閣議に諮られる。その際、「こんな元号には署名できない」とその場で辞表をたたきつければ、その大臣は国体護持の英雄となっただろう。もっとも、今の政府に勇気や教養を求める方が無駄か。
安倍首相は「令和」の典拠となった『万葉集』の素晴らしさを滔々と語っていた。誰か、安倍首相の好きそうな作文を用意し、話を吹き込んだのだろう。「漢籍ではなく和書を典拠とすることで、中国への自立を宣言できます」などと。その万葉集のモチーフが漢籍だったのだが……。
決まったことは仕方ない。しかし、国民は悪意に目を光らせるべきだ。
皇室と日本を守るために。1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中
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