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なぜエリート官僚が覚せい剤に…? 霞が関・薬物汚染の謎

国内ヤクザルートではなく米国から安く入手?

 それぞれの事件とも、逮捕の時点で入手ルートは判明していない。だが、先に逮捕された経産省のキャリア官僚のケースを見ると、ファッション誌の袋とじ部分に覚せい剤22gを隠して、LAからEMS(国際スピード郵便)を使って取り寄せるなど、かなり巧妙な手口で入手しているのだ。日本国内で違法薬物を密売しているプッシャーの男性が話す。 「1回の使用量が0.05gだとしても、22gは440回分。末端ユーザーが買う量にしてはかなり多い。注射器もいっしょに見つかっているし、もともとは国内のヤクザルートで買っていたはず。日本のヤクザは薬物を売るときセット販売なので、覚せい剤をどうやって水に溶くのか? どうやって注射を打つ静脈を探すのか? など、普通の人間にはわからないので、初めは誰か慣れた人に打ってもらい、注射器の使い方を教えてもらう必要がある。  ただ、日本ではヤクザが流通を管理してきた関係上、値段が高いから米国で安く手に入れようとしたのではないか。米国なら5分の1から10分の1ほどの値段で買うことができるので、官僚で英語も使いこなせるだろうし、ネットで調べて自力で接触を図り、受け渡し方法も細かく決めたのでしょうね」

仕事のストレス解消

 2人の若きエリート官僚が薬物に走った理由が、共に「仕事のストレス解消」だったことも直視しなければならない。自身も今回逮捕された容疑者と同様、文部省(現・文科省)の元キャリア官僚で、現在は京都造形芸術大学教授の寺脇研氏が話す。 「逮捕された職員が所属していた初等中等教育局は、安倍政権が行っている一連の教育改革の煽りから、文科省のなかでも最も忙しい部署のひとつと言っていい。ただ、現在、霞が関の官僚はみな多忙を極めている……。というのも、役人が官邸を忖度することで生まれた仕事が無尽蔵に増えており、挙手要員に過ぎない『陣笠議員』と揶揄されるような自民党2、3回生議員の要望にも応えなくてはならなくなった。  ひと昔前も、国会会期中は深夜3時すぎまで残業したり、役所に泊まり込む官僚の姿は珍しくなかったが、今は国会の有無にかかわらず、日常的にこうした激務を強いられている。実際、逮捕された職員は午前中に出勤できず午後から勤務するなど不規則な働き方を続けており、精神科への通院歴があったとも聞いています。  わずか1か月の間に、2つの官庁で逮捕者が出たということは、霞が関の構造的問題が犯罪の温床となっていると見られても仕方がない」
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周囲からはむしろ真面目で仕事熱心?
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