更新日:2019年12月11日 16:19
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725.2㎞を電車で移動しても、運賃はわずか140円…なぜ?

ルート設定は自由自在

外房線の車窓。日中ならこんな風に海が見える

外房線の車窓。日中ならこんな風に海が見える

 我孫子からは成田、佐倉、成東と南下し、大網駅から房総半島の外房線に入るが、すでにあたりは真っ暗で車窓からは何も見えず。日中であれば車窓から海を望む素晴らしい景色が堪能できただけに、逆回りルートにして先にこちらから回るべきだったかもしれない。  なお、外房線の勝浦→安房鴨川は、東京駅発の特急『わかしお』が勝浦駅から普通電車扱いになっており、乗ることができた。あくまで一部の列車のみのようだが、ちょっと得した気分だ。  安房鴨川からは内房線で千葉駅に向かい、そこから総武本線で錦糸町へ。ここで総武線各駅列車に乗り換え、秋葉原からは山手線外回りで神田駅に到着してようやくゴール。  すでに深夜12時半を回っており、移動時間は19時間50分。総移動距離はなんと725.2㎞だった。  これは東北新幹線の東京~新青森間にほぼ匹敵する距離で、同区間の運賃は1万150円。東京近郊区間とは運賃体系が異なるとはいえ、1万円以上かかるような距離を140円で移動できるのは魅力的だ。  子供が鉄道好きなら家族で1日過ごしてもいいし、各地の駅ナカ施設を巡ってみたりと単に車窓の景色を眺める以外にもいろんな楽しみ方がある。  ただし、大回りは切符、suicaなどの交通系ICカードいずれも長時間駅から出ていない場合は自動改札機の通過ができず、駅員がいる改札を通らなければならない。ICカードだと出発駅からルートの説明を求められる場合があり、乗車した駅が記載されている切符のほうがオススメだ。駅員に言えば、記念に持ち帰ることもできる。  ルートも自由自在でお金をかけずに旅行気分が味わえる鉄道大回り。この秋の行楽にぜひ試してみては。<取材・文・写真/高島昌俊> 【JR大都市近郊区間 超遠回りのルール】 ①利用できるのはJRの大都市近郊区間 ②同じ駅・路線は通れない ③乗車できるのは、切符購入日の始発~最終まで ④途中駅で降りるのはNG ⑤最終到着駅は出発駅と別であること
フリーライター。鉄道や飛行機をはじめ、旅モノ全般に広く精通。3度の世界一周経験を持ち、これまで訪問した国は50か国以上。現在は東京と北海道で二拠点生活を送る。
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