更新日:2020年01月22日 11:45
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バイトAKBからラーメン店主に。麺匠八雲・まゆか店長「批判もされました」/麺匠 八雲(葛飾堀切)

「自分の可能性を知りたかった」アイドルを辞めた理由とは

梅澤愛優香1

梅澤店長はバイトAKB(アルバイト契約のAKB48メンバー)として活動していた。

――どうしてアイドルの道に進もうと思ったんですか? 梅澤:一度芸能の世界に入ってみたいなという気持ちがあったんです。それで中学時代からずっとテレビにAKB48が出ていて、そのすがたが憧れだったので進もうとしました。 ――ちなみに推しメンは……。 梅澤:麻里子さま(篠田麻里子)と、珠理奈さん(SKE48・松井珠理奈)です。何度か劇場で会いましたけど、オーラが凄くて見れなかったです……(笑) ――アイドル友達は、梅澤さんがラーメン好きって知ってたんですか? 梅澤:友達にはラーメンの話をよくしていたし、食べ歩きに誘っていたりしてたのでラーメン好きというイメージはあったと思います。実際にラーメン屋さんでのPRのお仕事とかも呼んでもらったりと。最後に劇場公演をした時には、ラーメン(麺)をすするポーズをしました。 ――ラーメン好きが高じて、店主へと転身されましたが、ラーメンアイドルとして活動を続けるという選択肢はなかったのでしょうか 梅澤:食べたラーメンを発信するよりも作ることが好きだったのと、やっぱり一番に自分の作ったラーメンを沢山の人に食べてほしくて。 ――(ラーメン店での)修行とかも考えなかったんですか? 梅澤:自分の可能性を知りたかったのと、様々なラーメン作りがあるなか片寄った知恵は入れずにやりたかったので修行は考えませんでした。

批判から応援へ……。開店二年目にみる、環境の変化

麺匠八雲インタビュー3

(梅澤さんに両手を見せてもらいました。仕込みで酷使する右手が生々しい……。時期によっては赤切れも酷いとか…。「特に利き手は荒れやすくなるってお医者さんに言われました。」と梅澤さん。)

――1店舗目の開店資金はいくらぐらいかかったんですか?また資金はどうやって準備しましたか? 梅澤:開店資金は物件取得から簡単な内装工事、中古のコンロや冷蔵庫類の什器、営業許可の申請など全てで300万円ほどかかりました。最初は物価とか全くわからずでしたが、大和店付近は都心部から離れてるので安価のようです。  あと、よく資金についても「出資者がいるんじゃないか」などと言われますが、私が小さい頃からもらってたお年玉やお小遣いを母が貯めてくれていたり、自分で働いた資金など合わせて全部自分で払いました、それにもちろん名義も全て私ですし……(笑)。そんなのあったら後で絶対揉めそうなので嫌ですよね。  あと私自身ブランド物などの高価な物への欲がないのと、全体的に節約してるからお金が貯められるのかなって思います。 ――開店するにあたって、苦労はありましたか。 梅澤:ラーメン屋をするにしても入り口が元アイドルだったので、色眼鏡で見られてしまうことが最初は悲しかったです。SNSで批判されたり、来店された方に横柄な態度を取られたり、一年以内に潰れると言われたりなど……。他にも「私がラーメンを作っていないんじゃないか」とかも言われたりして。  ただ最近は、批判や中傷がある事が注目されてる証拠だと逆に力になっていますし、それ以上に応援してくれる方が一気に増えたのが素直に心の支えになっています。日々新しいお客さんもいらっしゃいますが、もちろん常連さんも増えました。また常連さんが職場の仲間を連れて来てくれたり、親子で来てくれたり。口コミが広がってきたなと感じています。「アイドルのお店だから」といった偏見はかなり少なくなりました。 ――周りの視線が変わってきているんですね。 梅澤:はい、あと親も応援的になってきた気がします。もともと、お店を開くときには賛成してくれたんですけど、「やるなら家族を巻き込まず自分一人の力でやりなさい」というのが条件でした。なので最初の方はお店のことを聞かれたり、ラーメンを食べに来ることもなかったんです。  でも、最近では月イチで親が食べに来てくれるようになったんです。もしかしたら、少しでも私がやってる事を認めてくれはじめたのかなって思っています。 ――周りの視線が変わった中で、ご自身の視点が変わったと思うことはありますか。 梅澤:んー、なんだろう……。前はすごい必死だった気がします。開店当初はお店を続けることで精一杯だったけど、最近は気持ち的にとても余裕を持てるぐらいになりましたし、行動や考えにも落ち着きがでてきたと思います。今月(2019年9月23日)で1店舗目が2年目を迎えたこともあり、自分としても軌道に乗り始めた実感があります。  最初の方は味に疑問を感じたら直ぐに徹夜で改良したりしてたんですけど、最近はそういうこともないぐらいに自分の味に自信を持てるまでになりました。
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店主が目指す、ラーメン像とは
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ほぼ毎日ラーメンを食べる会社員。豚骨ベースの鹿児島ラーメンで育ち、18歳で上京してラーメンの幅広さと奥深さに取り憑かれる

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麺匠 八雲 本店
東京都葛飾区堀切3-4-13

11:00~15:00/17:00~22:00(スープがなくなり次第終了)
月曜定休(祝日の場合は営業)
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