THE ALFEE 高見沢俊彦の華麗なるワイン遍歴「タカミーのブドウ畑」産ワインもプロデュース
2019年3月、THE ALFEE 高見沢俊彦氏が日本人で初めてサンマリノ共和国から聖アガタ騎士団のナイトという勲章を授与されました。音楽家としてデビュー45周年を迎えるTHE ALFEEですが、実は高見沢氏は大のワインラバー。今回の叙勲もワインが深く関係しています。今回、そんな高見沢氏にワインのお話を聞くことができました。
THE ALFEEは1974年から活動しており、1983年に日本武道館公演を行い『メリーアン』が大ヒット。それ以降、毎年クリスマス時期に武道館公演を行ってきました。
高見沢氏のお酒の嗜好は、シングルモルトのウイスキーやブランデー、はたまた日本酒と多岐に渡っています。しかし、80年代のバブル時代、ボジョレー・ヌーヴォーが全盛期を迎えます。ボジョレー・ヌーヴォーはフランスのブルゴーニュ地方南部にあるボジョレー地区で作られたワインで、11月第3木曜日の午前0時に解禁されるのが特徴。フランスワイン、そして時差の関係でフランスよりも先に解禁される、ということでイベント好きな人たちの間で大ブームが起きました。高見沢氏もこの時期にワインに興味を持ったようです。
「最初は嗜む程度でしたが、そのうちシャンパンにハマって、シャンパン一辺倒の時期もありました。大手メーカーのものよりレコルタン・マニュピュランを探して飲んでましたね。最終的に、シャルドネだけでできているブラン・ド・ブランにたどり着き、兄がドイツにいたもので、ドイツワインにも興味を持ちました。その次にブルゴーニュのピノ・ノワールに猛烈にはまり、その後はボルドー系に行きました」(高見沢、以下同)
レコルタン・マニュピュランとは、シャンパーニュ地方で、ブドウの自家栽培から醸造、販売までを行う小規模生産者のことです。RMと略されることが多く、様々な個性のシャンパンが作られています。生産量が少ないので、世界中のワインラバーが注目しているワインです。
ブラン・ド・ブランは白ブドウだけで作られたスパークリングワインのことです。ぶどう品種に決まりはないのですが、ほとんどがシャルドネ100%で作られています。
ボジョレー・ヌーヴォーから入ったのに、短期間でシャンパーニュからブルゴーニュ、ボルドーとフランスワインを縦断したとのことで、さぞたくさん飲まれたのでしょう。当時は、お酒も大好きで、ボトル1~2本を軽く空けていたそうです。
THE ALFEEのメンバーとも昔は良く一緒に飲んでいたそうです。とは言え、最近は打ち上げ以外で、一緒にどこかに飲みに行くことはなくなったそう。超絶多忙なので、体調管理にも気を配っているようです。
THE ALFEEの曲の歌詞にはよくワインが登場します。そこで、ワインと音楽について伺ってみました。
「ワインを飲みながらの音楽鑑賞は、趣味のようなものでした。聴くジャンルも色々で、ハードロックからクラシックまでワインの酔いがサウンドに混ざると何ともいえない幸せな気持ちになりますね。赤ワインは特にバロックミュージックに合うような気がしますが、いずれワインと合うような音楽も作ってみたいですね。ギター演奏だけのワイン協奏曲みたいな」
「海外に行ってその国の普通のレストランで飲むハウスワインがすごく美味しいと思います。ポルトガルに行ったら『ガタオ』という猫のラベルの微発泡白ワインが、料理に合うんです。長い時間をかけて船で日本に運ばれてきたものより、その土地で飲む方が美味しく感じます。ドイツでもライン川のワイナリーでは樽からワインを飲んだこともありますが、めちゃめちゃ美味しかったです。ヨーロッパ滞在中は、ほぼワインかビールの毎日です」
もちろん、嗜むのはハウスワインだけではありません。フランスではロッシーニ風のステーキにフランスのDRCクラスの赤ワインを合わせるそうです。フランス料理のロッシーニ風とは、肉の上にフォアグラを載せ、トリュフを削ったもので、組み合わせを見ただけで美味しいことがわかるでしょう。そして、合わせるワインはリシュブールやエシェゾーだとさらっと語ってくれました。
リシュブールもエシェゾーも、ロマネ・コンティと同様、ヴォーヌ・ロマネという銘醸地にあるグラン・クリュのひとつです。下品な話ですがちょっと一般人ではそうそう手が出ない価格のワインで、さすが王子と羨望に堪えません。
他にも、カリフォルニアのロマネ・コンティと呼ばれる「カレラ」にはまったり、生まれ年1954年のロマネ・コンティまで飲んだことがあるそうです。すごいワインを多数飲んでいる理由は、あるソムリエのアドバイスによるものでした。
「とにかくお金に余裕があるならワインは一番いいものを飲め、と言われました。無理してでも高いのを飲んで、自分の舌の感覚を養ったら、ランクを落としていけと言われたんです。絵でも音楽でも同じだと思います。一流のものを見ていけば、自分の目とか耳とかが養えますからね。ワインにもそれはあてはまりますよね」
その後、日本の千駄ヶ谷にあったレストランのソムリエと懇意になり、ワインのことを教えてもらうようになったそうです。そこからは主にイタリアワインを飲むようになったそうです。
90年代初めからはイタリア・フィレンツェを訪れるようになりました。そのフィレンツェにまつわるストーリーは2018年3月に放送された『アナザースカイ』(日本テレビ系)で披露されました。
ワインとの出会いはバブル時代のボジョレー・ヌーヴォー
絵でも音楽でもワインでも一流のものを見て感性を養う
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お酒を毎晩飲むため、20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に原価BARをオープン。2021年3月には、原価BAR三田本店をオープンした。新型コロナウイルス影響を補填すべく、原価BARオンライン「リカーライブラリー」をスタート。YouTubeチャンネルも開設し生き残りに挑んでいる
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