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一刻も早く安倍内閣を潰したがっているのは誰か/倉山満

一刻も早く安倍内閣を潰したがっているのは誰か。ズバリ、検察庁であると読む

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昨年、参議院選挙で多くの事前予想を覆す2議席獲得で、国民の既成政党への不信感を世に知らしめたれいわ新選組。彼らは2020年も「立憲民主党へのアンチテーゼ」であり続けるのだろう 写真/時事通信社

 新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。  さて、昨年はラグビーのワールドカップの日本開催と日本代表の善戦は慶事だったが、政治の世界は相も変わらずグダグダだったし、経済は消費増税10%で既に悪化の兆しを見せている。  では、どうするのか! どうなるのか? ではなく、どうするのか!を考えてみたい。  その為には、まずカレンダーだ。  日本にとって、重要な国で選挙が行われる。1月11日が台湾の総統選挙、11月3日がアメリカ大統領選挙だ。いずれも我が国の友好国である。我々としては、ぜひとも蔡英文総統とドナルド・トランプ大統領に当選してもらいたい。  台湾では、「国共合作」と言われ久しく、野党国民党は中国共産党の同盟国のような振る舞いをする。香港情勢が緊迫化し、南シナ海で東南アジアの小国を威嚇し続けている中国への警戒が強まれば台湾人に危機感が芽生え、民進党を与党とする蔡英文総統が再選されるだろうとの見立てがセオリーだが、選挙ばかりは蓋を開けてみなければわからない。(※原稿執筆後の1月11日、蔡英文が過去最多の得票数を記録して再選を果たした)  アメリカは、選挙一色の年だ。別名、「4年に1度の南北戦争」である。野党民主党は下院で多数を占めたので勢いに乗り、トランプ大統領の弾劾に踏み込んだ。しかし、上院では与党共和党が多数なので、弾劾が成立する見込みは少ない。野党の攻勢を梃子に与党共和党が結束し、トランプ大統領の再選を目論んでいると思われる。アメリカはトランプの景気刺激策が功を奏しているので、特に大きな失政が起きない限り再選は固いとみられている。  だが、世の中に「絶対」などと予想できることが、いくつあるのか。ましてや、選挙は蓋を開けてみなければわからない。まさに前回のアメリカ大統領選挙では「トランプはイロモノ」「ヒラリーが絶対に当選」と決めつけていた愚か者が多発した。しかし、その人たちが何かの責任をとった訳でもなく、ほとぼりが冷めると何事もなかったかのように言論活動を続けている事実を見逃さないようにすべきだ。  決して、「予想屋」に踊らされてはならない。  7月24日から8月9日にかけて、東京オリンピックが行われる。その前の7月5日に東京都知事選挙が行われる予定だが、れいわ新選組の山本太郎代表が立候補するのではないかと、与党自民党は戦々恐々だ。  ところが、それどころではない。昨年末から、大臣の辞任連発、「桜を見る会」の疑惑、そしてIRをめぐる汚職で現職国会議員の逮捕だ。安倍内閣の支持率は激下がり、不支持率が上回った。1月の通常国会で解散総選挙を断行し、一気に政局を打開しようとの目論見だったようだが、もはや政権は末期症状だ。この原稿が届くまで、安倍内閣が存続しているのかを心配しなければならない有様と化している。  増税推進派すら認めているように、8月にオリンピックが終われば、景気は劇的に悪くなるとの見通しだ。既に増税の悪影響は出始めているのだから、「増税の本格的な悪影響が出るのは1年後」との一般的な経験則に基づけば、「安倍内閣はオリンピックで終わり」がセオリーだったが、そこまで待ちきれない人がいるようだ。  安倍内閣の崩壊を望んでいるのは、創価学会・公明党か、財務省か、はたまた内閣法制局か。しかし、安倍内閣は選挙を創価学会に、予算と行政を財務省主計局に、そして立法を内閣法制局に依存してきた。彼らにとって、安倍内閣は「まったく怖くない」のだ。
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安倍首相に代わる人物は、誰か
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