仕事

コロナで消えた「サラリーマンの特権」ほぼ遊びの出張、曖昧な残業代…

「緩すぎる直行直帰」はオンライン化で消滅

セミナー 昼休みと同様、「外出先からの直行直帰」もサラリーマンに与えられた特権です。自営業はサボればサボるだけ実入りは減りますが、会社員はサボっても給料は変わりません。2時間のセミナーに参加するために丸1日消える準上級国民もたくさんいました。サボっているときに電話がかかってきても「ああ、いまどこそこにいます。ごにょごにょ……」とごまかせました。  ところが、オンラインセミナーになられてしまうと、外出ができなくなってしまいます。運営側としては会場費もかからず効率がいいのですが、一部の参加者にとってはささやかな楽しみがなくなってしまい、寂しいものです。  取引先との打ち合わせもオンライン会議になってしまうと移動時間がなくなってしまいますので、ホワイトボードに「NR」(ノーリターン)と書いてオフィスを15時くらいに晴れやかに出ることができなくなってしまいます。そうした平和な楽しみの休憩時間は急速に失われていくでしょう。  経費で「社内会議」として処理されるタダ酒もなくなっていくことが予想されます。成績のいい営業所があったりすると、所長が経費で社員を連れ出して飲みにいくことなどは、会社によっては黙認どころか福利厚生の延長として奨励したりもしていました。若者の飲み会離れというのもありますが、Zoom飲みでは経費で落としようがないでしょう。この種のタダ酒は自分でつまみを用意するようなテンションでやるものでもありません。  一部の本当に恵まれた会社でのみ残る「タクシーチケット」も消滅します。少し前に政府系機関の幹部が合コンに来た女性にタクシーチケットを配ってクビになったこともありましたが、持っているだけで希少なエグゼクティブの証のような存在になっていました。まさに昭和の遺物です。  そもそもタクシーの移動自体が世の中全体で減っていくこともあり、タクシーチケットなんてもってのほかになっていくでしょう。大多数にとっては何の影響もないので、むしろ「ざまあみろ」くらいのことかもしれませんが……。
次のページ
「残業代」という存在自体がレアになる
1
2
3
4
テキスト アフェリエイト
新Cxenseレコメンドウィジェット
おすすめ記事
おすすめ記事
Cxense媒体横断誘導枠
余白
Pianoアノニマスアンケート