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転売ヤーたちの断末魔。コロナで暇人が多数参入、フリマ市場は価格崩壊

コロナでまさかの大赤字

 山田一行さん(仮名・38歳)は、先に始めていた同僚の真似をして廃品回収&転売のダブル副業を4月から開始。だが、コロナでまさかの大赤字を計上しているという。
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意外にもボウリングの玉は売れたらしいが、2度目は売れずに部屋に残ってしまった。やはりビギナーに目利きは難しいようだ

「コロナ禍の影響で転勤、引っ越しが激減。対面接触を避ける人が増えたこともあって、廃品がまったく回収できなくなったんです。そのため、転売するための目ぼしい商品もまったく手に入らない。毎月倉庫代に25万円、Googleに払っている廃品回収の広告費50万円、車のリース代8万円など、多額のお金が出ていく。もし年末の不用品回収のピーク時でもこの傾向が続けば、来年には破産してしまいそうです」  4月までは「先駆者もいるし、スキはない」と自信満々だったが、コロナ禍によるリスクには気づけなかったようだ。
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不良品回収のなかから売れそうなモノだけ部屋に置いているが、ストレスが溜まるのみ

転売は社会にとって善?日本の転売規制の行方

 ここまで失敗談を紹介してきたが、転売は気軽にできることに加えて、SNSでの情報発信も盛ん。転売業界の人口は今後ますます増えると予想される。だが、10倍の値がついたPS5など定価で欲しい商品が買えないこともあるこの現状は、はたして健全と言えるのか。経済学に詳しい作家の橘玲氏に聞いた。 「そもそも転売が発生する原因は、『定価よりも高くていいから欲しい』という人が存在するからです。それは言い換えれば『メーカーや小売店が適正価格で値段をつけられていない』ということ。むしろ経済学的にいえば、転売価格が『真に適正な価格』といえるのではないでしょうか」  一見、不平等に見える転売だが、一律で転売が世の中からなくなった場合、「朝から店舗に並べる人だけが得をして、そうでない人は商品が手に入らない」という、また別の不平等が表出する。需要に対して供給が圧倒的に少ないときに、完全な機会の平等は不可能なのだ。

マスクや消毒液の転売が禁止も

 また、今年3月には国民生活安定緊急措置法の改正によりマスクや消毒液の転売が禁止(9月に制限は解除)となったが、今後の法改正や政府介入についても「それほど締め付けは起こらないのでは」と橘氏は自身の見方を示す。 「感染拡大期にマスクや消毒液のような、医療従事者に届くべきものが届かない状況下では国が介入する必要があるでしょうが、基本的には市場の流動性が高まり、規模が大きくなるほど、消費者の満足度も高まります。チケットのような生活必需品でないものの転売を法で禁止する意味はないし、消費者やユーザーが転売に不満を持っているとしたら、国が市場に介入するのではなく、自由経済のなかでより好ましい販売方法をつくっていくべきでしょう」  人口が増加しても、市場の原理は変わらない。「負け組転売」が増えることはあれど、転売が世の中からなくなることはなさそうだ。
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アマギフの不正禁止で転売ヤーに大ダメージ
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