谷村氏は御年81歳。今でも現役で調理場に立っているが、高齢のためクラウドファンディングには明るくない。「横文字は苦手なので」と苦笑いを浮かべる谷村氏が今回クラウドファンディングに挑戦したのは孫の存在が大きかったという。 「お弁当の販売や宅配も考えましたが、新型コロナが感染拡大する中で構内に外部の人間を入れるのは難しい。じゃあ、どうするかと思案していたとき、大学生の孫が『クラウドファンディングをやってみたら』と勧めてくれたんです。大学事務局も快く協力してくれました」 　山食のクラウドファンディングは500円、1万円、3万円、5万円の4つの支援金額が設定されており、7割以上の支援者が1万円以上のプランを選んでいる。 「500円の支援額は塾生（在学生）向けです。塾生の皆も大変なのに、『少しでも応援したい』と声をかけてくれる子が多くて。それで500円を支援していただければ、山食で使える1食分の食券をお返しすることにしました」